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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2025年7月31日 No.3693 日ブラジル関係強化に向けた今後の日本政府の取り組み -日本ブラジル経済委員会企画部会

中山氏

経団連は6月27日、東京・大手町の経団連会館で日本ブラジル経済委員会企画部会(小寺勇輝部会長)を開催した。外務省中南米局南米課の中山雄亮課長補佐から、2025年3月のルーラ・ブラジル大統領来日を踏まえた今後の日本政府の取り組み等について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ ルーラ大統領訪日の概要

25年3月、ブラジルのルーラ大統領が約6年ぶりの国賓として来日した。連邦議会上下院議長を含む11人の連邦議員、11人の閣僚、100人以上の経済関係者、労働組合代表者らが同行した。ブラジル大統領の外国訪問団としては最大規模のものだった。

訪日中は、天皇陛下とのご会見および宮中晩さん会が開かれた。

石破茂内閣総理大臣との24年11月のG20リオデジャネイロ・サミットに続く2回目の首脳会談、「日・ブラジル戦略的グローバル・パートナーシップ・アクションプラン2025―2030」をはじめとする協力文書の発表、共同記者発表も行われた。

その他、両国の経済関係者出席による「日・ブラジル・ビジネスフォーラム」などが開催された。

■ アクションプランと今後の取り組み

両国が今後5年間で取り組むべき「日・ブラジル戦略的グローバル・パートナーシップ・アクションプラン2025―2030」は、ルーラ大統領の訪日に合わせて発表した。

これは、24年5月に岸田文雄内閣総理大臣(当時)がブラジルを訪問した際に公表した共同声明を踏まえ、今後5年間の日ブラジル連携の具体的な行動計画を示したものである。

外交面では、首脳往来の隔年実施を明記するとともに、外相戦略対話の実施、外務・防衛対話の新設により二国間関係のさらなる強化を推進していくこととしている。

経済面では、ブラジルが25年7月からメルコスール(南米南部共同市場)議長国を務めることを踏まえ、「日・メルコスール戦略的パートナーシップ枠組み」を早期に立ち上げ、そのもとで貿易関係の深化に向けて協議を進めていくことを確認した。

気候変動・環境分野では、ブラジルが議長国を務める25年11月開催の国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)への支持を表明した。

加えて、日本のオファー型協力を活用した劣化牧野の回復への支援やアマゾン違法森林伐採対策への協力を確認した。

「持続可能な燃料とモビリティのためのイニシアティブ」(ISFM)に基づき、自動車分野の脱炭素化でも両国間の連携を推進していくこととした。

人的交流に関しては、ワーキング・ホリデー制度について協議することを発表した。今後の人的交流の一層の拡大が期待される。

25年は日ブラジル外交関係樹立130周年の節目に当たる。

年前半にはルーラ大統領、上下両院議長らに続いて、最高裁判所長官、州知事、市長ら要人が相次いで来日した。

6月には秋篠宮家の佳子さまがブラジルを訪問された。

これらの活発な要人往来で得られた盛り上がりを生かし、年後半も積極的にブラジルとの関係強化に取り組む。25年を次の10年につなげる年としたい。

【国際協力本部】

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