
経団連は7月16日、ピッチイベント「Keidanren Innovation Crossing (KIX) 」の第31回会合をグーグルの協力のもと都内で開催した。スタートアップ、大企業等から約100人が参加した。
齊藤昇スタートアップ委員会企画部会長による開会に続き、グーグル・クラウド・ジャパンの堂田丈明ベンチャーキャピタル事業開発部門長があいさつした。
■ パネルディスカッション
スタートアップピッチに先立ち「スタートアップ育成5か年計画と日本発ユニコーンについて」と題してパネルディスカッションを実施。堂田氏の進行のもと、経済産業省イノベーション・環境局イノベーション創出新事業推進課の富原早夏スタートアップ推進室長、住友生命保険の藤本宏樹常務執行役員、早稲田大学理工学術院の尾形哲也教授(AIロボット協会理事長)が登壇した。
富原氏は、「5か年計画の後半に際し、大企業とスタートアップが共に進化し、協業により新たなものを生み出していくことが重要」と強調した。
尾形氏は、「日本のロボット技術は世界からの注目も大きい。この関心をいかに投資につなげていくか」と課題を指摘した。
藤本氏は、「未上場であることやディープテックであることにとらわれ過ぎず、『上場ユニコーン』をわが国として生み出していくこと」の重要性に触れた。
■ スタートアップピッチ
スタートアップピッチでは、グローバルに活躍するスタートアップ7社が登壇。自社の強みを紹介するとともに大企業に連携を呼びかけた。登壇者は次のとおり。
- (1)下地邦拓 EF Polymer COO=作物残渣由来の超吸水性ポリマーを用いて農業やグリーントランスフォーメーション(GX)を支援
- (2)西岡和彦 SUN METALON CEO=脱炭素化を加速させる金属リサイクル技術を提供
- (3)島田幸輝 SyntheticGestalt CEO=化学系の研究開発を革新する分子特化型基盤AIを開発
- (4)山口真広 SORA Technology Chief Mosquito Officer=AIやドローンを用いた水関連の分析や感染症対策の実現
- (5)上地練 Solafune 代表取締役=120カ国・地域で利用される衛星データ解析を通じてさまざまな業界にインテリジェンスを提供
- (6)佐藤悦緒 パワーエックス 執行役副社長=蓄電システムを用いたエネルギー自給率向上と再生可能エネルギー普及の加速
- (7)塚田英次郎 World Matcha Inc. Founder & CEO=高品質抹茶と革新的マシンによる抹茶の新たな日常化に挑戦
ピッチ終了後のネットワーキングでは、登壇者と大企業関係者らが活発に交流した。
次回のKIXは、10月7日に福岡で開催予定。2024年1月の大阪開催に続き、東京以外での開催は2回目となる。
【産業技術本部】