
ペレグリニ大統領(左)と髙島副会長
経団連の髙島誠副会長・ヨーロッパ地域委員長、齋藤洋二同企画部会長は9月9日、東京・大手町の経団連会館で、スロバキアのペテル・ペレグリニ大統領と懇談した。ペレグリニ大統領の発言概要は次のとおり。
2016年に経団連のミッションがわが国を訪れた際は、副首相として面会し、実りの多い議論ができた。
スロバキアには約70の日本企業が進出し、何千人もの雇用を生んでいる。日本は地理的に遠く離れているが、アジアにおける戦略的パートナーである。日本からは工場のみならず、研究所もスロバキアに進出している。これは、わが国に魅力があるということだ。
人口550万人の小国であるわが国は、GDPの90%を輸出が占め、貿易は開かれており、多国間主義を支持している。世界貿易機関(WTO)をはじめ国際機関が機能せず、多くの国際ルールが軽視されていることは、大きな問題である。
スロバキアはウクライナと国境を接しており、国境付近にミサイルが飛んできている。われわれは一刻も早い停戦を願っている。
わが国は、ウクライナに隣接するEU加盟国かつユーロ導入国である。安全を確保しつつウクライナの復興に参画したいと考える日本企業と協力できると思う。
エネルギーについては、発電量の6割を原子力で賄っている。今後15年で新たに2基の原子力発電所を設置し、原子力発電の比率で世界をリードすることになる。加えて、小型モジュール炉(SMR)の開発や核燃料サイクル政策も推進したい。日本とはエンジニアの育成で交流できるとよい。
経団連のミッションが来るのに良いタイミングと思う。スロバキアを再訪してほしい。
【国際経済本部】