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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2025年10月2日 No.3699 国内支援プロジェクト「遠州灘海岸におけるアカウミガメ及び海浜植物の保護」を視察 -経団連自然保護協議会

アカウミガメの卵

海を目指す子ガメ

経団連自然保護協議会(西澤敬二会長)は8月7、8の両日、経団連自然保護基金が支援する「遠州灘海岸におけるアカウミガメ及び海浜植物の保護」プロジェクトの視察を浜松市で実施した。西澤会長、饗場嵩夫同企画部会長をはじめ19人が参加した。

同プロジェクトの実施主体であるサンクチュアリエヌピーオーは、遠州灘海岸における絶滅危惧種のアカウミガメやコアジサシなどの野生生物の生息調査や海浜植物分布調査のほか、ウミガメの卵の保護・ふ化・放流、海岸清掃・ポイ捨て防止活動に加え、海浜植物の繁殖を通じた砂浜の回復にも取り組んでいる。

視察1日目は、浜松市役所で西澤会長が中野祐介市長と面会した後、浜松市環境部環境政策課ならびに市民部文化財課と意見交換会を行った。

浜松市側から、生物多様性の取り組みとして、環境保全活動に取り組む市民団体と事業者とのマッチングを行う「はままつネイチャーポジティブパートナーシップ」の活動や、保育園・幼稚園・小学校に派遣され、環境学習の講師を務める「浜松市環境学習指導者」の養成等について紹介があった。

続けて、市指定天然記念物に指定された「浜松市海岸のアカウミガメ及びその産卵地」について説明を聴いた。参加者からは、気候変動に伴うアカウミガメの上陸数の変化や、渡り鳥であるコアジサシの習性についての質問が挙がるなど、活発に意見交換した。

2日目は、早朝に遠州灘海岸を訪れ、アカウミガメの足跡を手掛かりとして産卵場所を探す方法を学びつつ、卵を砂浜の穴から取り出し回収する産卵調査、子ガメの放流を行った。その後、回収した卵がふ化するまでの間に保管しておく保護柵へ移動し、気温がふ化に与える影響を調査する様子を視察した。

砂浜のごみを拾うビーチクリーンアップ活動や、砂と種子を入れた土のうを重ねて海浜植物の成長を促す「砂浜回復事業」も体験した。

午後は絶滅危惧Ⅱ類のコアジサシのコロニーを双眼鏡や望遠鏡で観察し、卵を守っている様子を確認した。

最後に中田島砂丘とレキ海岸を見学。海岸線の変化や、アカウミガメの産卵に適した砂浜と適さないレキ海岸の違いを比較した。

全行程終了後、参加者からは、天候にも恵まれ予定を全てこなすことができ、ウミガメやコアジサシに会う体験は貴重だったとの声が寄せられた。

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