
ピネル副知事
経団連は9月22日、米国オクラホマ州のマット・ピネル副知事の来日の機会を捉え、東京・大手町の経団連会館で懇談会を開催した。オクラホマ州側の発言概要は次のとおり。
■ オクラホマ州の概要と主要産業
経団連とは2024年12月にケビン・スティット知事が訪日した際に懇談した。今回こうして経団連を訪問することができてうれしい。
オクラホマ州は米国の中心に位置している。カナダやメキシコ、東西海岸のいずれにも等距離でアクセスでき、地理的に優位である。鉄道網や空港をはじめとする交通インフラが充実しており、全米市場展開を目指す外国企業にとって最適な拠点である。
当州の主要産業の一つが観光である。毎年数百万人の観光客を受け入れており、観光を経済開発への入り口と位置付けている。日本からも「ルート66」を目的に訪れる観光客が多い。観光をきっかけに当州の魅力を知ってもらい、その後の経済交流につなげたい。
移住政策にも力を入れており、テキサス州からの移住者を中心に人口が増加している。全米で最も成長が著しい地域の一つである。
人材育成も積極的に行っている。当州独自の教育制度「オクラホマ・キャリアテック・システム」を通じ、毎年約40万人の学生を産業人材として輩出している。
エネルギー面では、当州の電源構成の約45%を再生可能エネルギーが占めている。全米屈指の低コストかつ安定した電力供給を実現している。隣接する州と比べても競争力が高く、環境対応と事業コスト削減を両立したい企業にとって魅力的な立地である。
税制優遇や雇用支援など多様なインセンティブも準備しており、進出企業の成長を全面的に後押しできる点が特徴である。
■ 日本および日本の経済界への期待
25年は、オクラホマ州と京都府の姉妹府州関係樹立40周年の節目に当たる。今回の訪日もそれを記念するものである。当州は長年にわたり日本と信頼関係を築いており、それを誇りに思う。ビジネス、観光、文化の各分野で日米関係の拡充を目指している。今後さらに交流を深化させていきたい。
日本企業にとって当州は、持続可能性、低コスト、安定性を兼ね備えた投資環境を提供する魅力的な拠点である。われわれは直接投資からパートナー探しまで幅広く支援する用意がある。日本企業をはじめとする外資系企業には、最初の米国進出地にオクラホマを選んでほしい。
【国際経済本部】