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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年1月8日 No.3712 〝界隈消費〟に見る次世代消費者理解 -多様性が開く新しい市場構造/生活サービス委員会企画部会

園田氏

経団連は12月9日、東京・大手町の経団連会館で生活サービス委員会企画部会(山本ひとみ部会長)を開催した。ウィゴーの園田恭輔社長から「“界隈消費”に見る次世代消費者理解」をテーマに同社の取り組みを聴いた。概要は次のとおり。

■ 若者の価値観に寄り添う小売業への転換

アパレルショップ「WEGO」は大阪・アメリカ村の5坪の古着屋から始まり、現在31期目を迎える。

古着中心の業態から転換を進め、ファッション、カルチャー、ライフスタイルの3領域に事業を集約し、若者の関心や価値観、その背景にある文脈を捉え、新たな価値を生み出し、商品・サービス・情報として発信するビジネスへと進化させている。

当社が掲げる思想「YOUR FUN」は、企業側が価値や正解を一方的に提示するのではなく、一人ひとりの若者の「好き」や個性に寄り添いながら、ブランド・事業の形を共につくっていくもの。われわれは「日本の若者を最も理解する会社」を目指している。

■ 界隈マーケティングとSNS活用

近年注目される「界隈マーケティング」について、当社の取り組みは先行事例といえる。

不特定多数に広く訴求する従来型のマーケティングとは異なり、特定の趣味や価値観を共有する小さな集団・コミュニティを起点に、共感を広げていく手法である。

例えば「推し活」や「ダンス」だけでなく、身長や体型の悩み等、ネガティブに捉えられがちな要素も、共感を得られる文脈に編集し、ポジティブに発信していくことで、多くの支持を得ている。

界隈マーケティングを捉えるうえで、SNSは重要な役割を果たしている。SNSを単なる広告媒体としてではなく、若者が何に共感し、どのような感情で情報に触れているのかを把握するツールとして活用している。

商品を先に売り込むのではなく、まずSNS上で「見られ、共感され、共有される」状態をつくり、一定の反応が集まった段階でマーケットが形成されたと捉え、商品を投下し、反応を見ながら次の展開につなげている。

■ WE LABO[ヒト・コト・モノ・バ]研究所による実践と知見の体系化

当社はSNS上で、公式アカウントを軸に、若者の趣味嗜好の細分化に合わせたテーマ別アカウントを数多く運営している。

SNSでの情報発信に加え、アンケート調査やインフルエンサーとの連携を通じて、各分野における若者の関心や反応を収集し、それらをコンテンツや商品開発に反映させている。

運営には当事者感覚を持つ社員やアルバイトが関わり、言葉遣いや表現のリアリティも重視している。

全国約180店舗、年間約900万人の来店客、数千人の現場スタッフから得られる日々の気付きを蓄積・分析し、若者の動向を研究する組織WE LABO(ウィー ラボ)を設け、若者たち一人ひとりの新しい可能性を模索している。

こうした取り組みは、自社の枠組みを超え、さまざまな企業との連携にもつながっている。

ファッション、カルチャー、ライフスタイルを多様な方法で掛け合わせ、新しい価値観を見いだしていく。そうした取り組みを通じて、「普通なんて、人の数だけあっていい」という思いのもと、世の中をよりにぎやかに彩っていきたい。

【産業政策本部】

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