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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年2月26日 No.3719 人材育成システム改革の方向性 -教育・大学改革推進委員会

今泉氏

経団連は2月2日、東京・大手町の経団連会館で、教育・大学改革推進委員会(小路明善委員長、橋本雅博委員長、小宮暁委員長)を開催した。文部科学省の今泉柔剛大臣官房総括審議官から、人材育成システム改革に向けた方向性について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 産業構造の変化

経済産業省の「2040年就業構想推計」によると、日本社会では40年に、職種、学歴、地域間における人材需給の深刻なミスマッチが生じる。

東京圏では事務職の余剰が見込まれる一方、AI・デジタル分野を担う専門人材や、農業・水産業・工業などの現場人材、理系人材は全国的に不足する見通しだ。

特に地方部では、現場人材やエッセンシャルワーカーの不足が生活基盤を脅かし、地域の存続そのものが危機に直面する。

■ 人材育成システム上の課題

現在もなお、日本の教育には文理分断型の構造が残っている。高校進学後は文系・理系に分かれ、特に私立大学進学を目指す場合、受験科目が早期に限定され、文系では理数系科目から離れる傾向が強まる。

大学の人文社会系学部では、教員1人当たりの学生数が多く、理系学部の学生や医療関係等の国家資格を目指す学生に比べて学修時間が短い傾向があるなど、学修の量や密度に課題がある。

変化のスピードが一層加速するなか、科学技術イノベーションの進展、社会・産業構造の変化に対し、長期間を要する人材育成の対応との間には、時間差があることも大きな課題だ。

大人の経験や固定観念に基づく善意の助言が、未来を生きていく子どもたちにとって適切なものとはならない可能性もある。不透明感を増す国際環境のなかで、社会全体として意識や価値観を問い直し、柔軟で先手を打った人材育成改革を進めることが求められている。

■ 日本成長戦略会議の議論

高市政権のもとで日本成長戦略会議が設置され、そのなかの人材育成分科会を中心に、成長力強化に向けた人材育成のあり方が検討されている。人口減少により労働力人口の縮小が避けられないなか、今後の成長力を高めるためには、個々の労働者の質を高め、適材適所で活用する仕組みが不可欠だ。

そのため、40年の将来像から逆算するバックキャスト型の教育への転換を人材育成システム改革の中核として、高校から大学、大学院までを一体として捉えた改革を進めていく。文理融合の推進や社会人のリスキリングを含めた総合的な取り組みも目指す。

産業界との継続的な対話を通じて人材需要を共有し、教育・採用・処遇のあり方を検討しながら、地域や産業の実情を踏まえた人材育成を進めることで、人への投資が成長へと還元される好循環の実現を図っていく。

【教育・自然保護本部】

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