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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年3月5日 No.3720 経済安全保障推進法の改正等に関する有識者会議の提言について聴く -外交委員会

泉氏

経団連は2月13日、東京・大手町の経団連会館で外交委員会(片野坂真哉委員長、大林剛郎委員長)を開催した。泉恒有内閣官房内閣審議官兼内閣府政策統括官から、経済安全保障推進法の改正等に関する有識者会議の提言等について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 経済安全保障推進法改正等に向けた取り組み

2025年11月の経済安全保障推進会議で高市早苗内閣総理大臣から、有識者会議の意見を踏まえながら、経済安全保障推進法の改正に向けて、早急に検討するよう指示があった。これを受け、有識者会議は議論を重ね、26年1月30日に提言をまとめた。

政府は、この提言を踏まえ、次の国会への経済安全保障推進法改正案の提出を目指して必要な作業を進める方針だ。

■ 提言の概要

1.サプライチェーンの強靱化

これまで重要な物資の確保に資する事業者の取り組みを支援してきた。光海底ケーブルの敷設のように、物資の供給に不可欠でもっぱらその物資のために用いられる役務についても支援対象とすべきだ。

特定重要物資の安定供給確保が困難な事態に至る前に国が働きかけ、民間事業者が行動を取りやすい環境を整備する必要がある。

2.基幹インフラ役務の安定的な提供の確保

事業者が重要設備の導入・維持等を行う際に事前審査が必要な事業として電気、ガス等の15分野を指定してきたが、ここに医療を追加すべきだ。

制度の対象となる者として、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の中心的な役割を果たす医療情報基盤・診療報酬審査支払機構と、特定機能病院を念頭に個別の病院を指定すべきだ。

3.海外事業展開支援

官民一体で経済安全保障上重要な海外事業を実施する必要があるなか、政府が主体性をもって民間事業者を支援すべきだ。その際、現行の他の制度では支援できない事業が実施可能となるよう、国際協力銀行(JBIC)を活用し、劣後出資等の一層強力なリスクテイクを可能とすべきだ。

4.先端的な重要技術の開発支援

先端的な重要技術の開発に当たり、指定基金と協議会を通じて支援してきた。現行法では、科学技術振興機構(JST)をはじめとする5法人の基金が指定可能とされているが、この他にも研究開発独立行政法人等に設置された基金も指定可能とすべきだ。

5.総合的な経済安全保障シンクタンク

経済安全保障を巡る課題が複雑化するなか、外交、情報、防衛、経済、技術の専門知識を結集して対応すべきであり、総合的な経済安全保障シンクタンク機能が必要だ。

この機能は、内閣官房国家安全保障局を司令塔として、経済産業研究所に設けることが適切だ。業種横断的で専門性を要するサプライチェーン分析等のテーマに取り組むことが考えられる。

6.官民協議会

経済安全保障を巡る環境が急激に変化するなか、官民が共通認識を醸成すべく、情報共有や協議を行う官民協議会を設けることが重要だ。民間事業者から参加する個人にも守秘義務を課すことにより、政府保有の機微情報等を共有することが可能になる。

7.データセキュリティ

外部から行われる行為を通じた民間保有データの流出等により、国家・国民の安全が害されることを防ぐための措置の検討が必要だ。個人に関する機微なデータや、データセンターおよびクラウドサービスで大量に処理・保存されるデータを防護するための措置について、引き続き丁寧に検討する必要がある。

【国際経済本部】

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