1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2026年3月5日 No.3720
  5. 最近のメキシコ情勢について懇談

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年3月5日 No.3720 最近のメキシコ情勢について懇談 -米メキシコ関係を中心に本清駐メキシコ大使から聴く/日本メキシコ経済委員会

本清大使

経団連の日本メキシコ経済委員会(倉石誠司委員長、芝田浩二委員長)は2月4日、東京・大手町の経団連会館で最近のメキシコ情勢に関する懇談会を開催した。本清耕造駐メキシコ特命全権大使から、メキシコの最新情勢について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 現政権下の内政、経済、外交

シェインバウム政権は、福祉拡充、最低賃金の引き上げ、電気自動車(EV)や半導体等の科学技術振興、再生可能エネルギーの拡大、鉄道や高速道路等のインフラ整備――等の公約を掲げ、高い支持率を維持している。一方、汚職や治安対策は依然課題で、経済への不安も広がる。

議会は連立与党が改憲勢力を占めており、大統領の政策運営を進めやすい状況にあるが、2024年の司法改革に係る憲法改正後、選出された裁判官が与党の意をくんだ恣意的な判断を行わないかなどに注視が必要だ。

経済面では、海外からの直接投資は堅調で、米国の関税政策の影響で経済成長は鈍化しつつも、成長率はプラスを維持している。25年1月には長期的国家開発計画である「メキシコ計画」を公表し、経済大国化、新規雇用創出、貧困および格差の削減等の目標を掲げている。

外交面では、経済的に米国に依存するなかで、対米関係の維持を最優先し、経済、治安、移民等を主な分野とした対話を重視している。

■ USMCA見直しの行方

メキシコにとって、26年7月に見直しが予定されている米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の維持・強化は最優先課題だ。他国と比べて優位な立場、対内直接投資と輸出の維持を目指している。

さまざまなシナリオが考えられるなか、順調に見直し合意に至るかは現時点では不明であり、今後の交渉の推移を注視する必要がある。協定見直しの論点は、自動車・自動車部品の原産地規則、メキシコのエネルギー政策等だ。

日本政府は、USMCA見直しの動向を注視し、原産地規則や関税に関する運用、対中措置の影響を精査したうえで、日本企業の声を的確にメキシコ政府に届け、反映するよう取り組みたい。

■ 日メキシコ関係の展望

日本企業はメキシコ経済を支える重要な存在だ。現地日系企業は、治安、エネルギー・インフラ、税務・通関といった課題に直面するなか、難民、水と衛生、高齢者等のさまざまな分野で協力を進めている。

26年はサッカー・ワールドカップ開催、27年は日本人メキシコ移住130周年などさまざまなイベントが控える。USMCAの見直し等を通じ、二国間経済関係の強化に取り組んでいく。

【国際協力本部】

「2026年3月5日 No.3720」一覧はこちら