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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年3月5日 No.3720 米国政治・経済の最新情勢

経団連は2月6日、同月18~24日の訪米ミッション派遣に先立ち、東京・大手町の経団連会館で事前勉強会を開催した。外務省の熊谷直樹北米局長、経済産業省の荒井勝喜通商政策局長から、米国の政治・経済等に関する最新情勢について、それぞれ説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 熊谷氏

トランプ政権発足から1年を迎えた米国では、移民政策や反DEI(Diversity, Equity, Inclusion)等の社会・文化政策を中心に強力に政策が推進された。その背景として、共和党がトランプ大統領を中心とする党運営となっていることや、大統領の公務の刑事免責を認めた2024年の司法判断の影響が挙げられる。

トランプ大統領の支持率は40%台前半で推移しているものの、アフォーダビリティ(物価の手頃さ)に関する国民の不満は強く、特に若年層やマイノリティ層で支持率が低下している。26年11月の中間選挙では、物価対策が最大の争点となり、下院では民主党が優位に立つ可能性がある。

日本を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しい状況にある。そのなかで、日米同盟の強化は日本外交の一丁目一番地であり、首脳間の信頼関係の構築が極めて重要だ。

今後、関税合意の着実な履行や経済安全保障での連携、人的交流の深化を通じ、日米関係を重層的に強化していきたい。特に、米国の入国管理を巡って日本企業に懸念があれば、米国側に伝えるので随時寄せてほしい。在日米国大使館を通じて適時適切に情報を提供し、不安軽減に努めたい。

■ 荒井氏

25年7月の日米関税合意を起点に、日米経済関係は新たな段階に入った。高市早苗内閣総理大臣とトランプ大統領との一連の首脳会談・電話会談を通じ、現在の日米関係は極めて良好だ。他国と比べても安定している。

一方で、関税合意で約束した内容を着実に実行することが必要だ。特に合意の中核を成す5500億ドル規模の戦略的投資イニシアティブは、電力、AIインフラ、重要鉱物等の分野で米国のインフラ需要を創出する。国際協力銀行(JBIC)や日本貿易保険(NEXI)を含めた日本の資金は後押しすべきだ。

日本企業の機器輸出などを通じ、経済安全保障上重要なサプライチェーンの強靱化やわが国の成長戦略につなげることが重要だ。

重要鉱物に関する閣僚会合が初めて開催されるなど、重要鉱物を巡る国際的な枠組みづくりが急速に進展している。中国依存から脱却するため、日本を含む同志国でサプライチェーンの強靱化に向けた取り組みが検討されており、産業界との連携が不可欠だ。

【国際経済本部】

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