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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年4月2日 No.3724 公取委幹部と意見交換 -経済法規委員会

経団連は3月4日、東京・大手町の経団連会館で経済法規委員会(亀澤宏規委員長、奥田健太郎委員長)を開催した。公正取引委員会の岩成博夫事務総長、佐久間正哉官房デジタル・国際総括審議官、向井康二官房審議官、大胡勝経済取引局長から、公取委の最近の取り組みを聴くとともに意見交換した。概要は次のとおり。

左から大胡氏、佐久間氏、岩成氏、向井氏

■ 取引適正化に向けた取り組み

中小受託取引適正化法(取適法)が2026年1月から施行された。従来の下請代金支払遅延等防止法(下請法)を改正したもので、大企業と中小企業の取引を適正化し、価格転嫁を促進するため、協議に応じない一方的な代金決定の禁止や手形払いの禁止などが盛り込まれた。

公取委は現在、取適法の周知や広報活動に取り組んでいる。全国で事業者向け説明会を開催し、動画による周知にも力を入れている。

取適法の執行面では、公取委は個別事業者への指導や勧告に加え、関係省庁と連携して業界団体向けの説明会の開催や要請を行っている。25年度からは、特定の業種に着目した指導状況も公表している。

取適法以外の取り組みでは、内閣官房と連名で策定した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を26年1月に改正し、事業者にとって参考となる事例を追記した。

25年7月からは、公取委と中小企業庁共催による「企業取引研究会」を再開。取適法が適用されない取引についても取引適正化を図るための検討を進めている。主な検討事項は、支払いサイトの短縮化、物流に関する商慣習の問題への対応などだ。

■ スマホソフトウェア競争促進法

スマホソフトウェア競争促進法が25年12月から全面施行された。同法では、スマートフォンの特定ソフトウエア(モバイルOS、アプリストア等)の競争環境を整備するため、規制対象となる事業者を指定するとともに、その指定事業者に対する禁止行為と遵守義務を定めている。

全面施行に伴い、公取委は違反被疑事実についての申告フォームを設置した。26年2月には指定事業者から提出された遵守報告書について、事業者の秘密を除いて公表したうえで、情報や意見等を募集している。

アプリ事業者等向けのQ&Aを公表し、アプリ事業者等からよく寄せられる質問への回答もまとめている。

今後は、関係者の意見や情報等を積極的に収集し、指定事業者との継続的な対話を通じて規制遵守のための改善を図っていく。

■ 生成AIの実態調査

公取委は25年6月、「生成AIに関する実態調査報告書ver.1.0」を公表した。生成AIを巡る独占禁止法や競争政策上の論点等について事業者等から幅広く情報や意見を募り、要点を絞って取りまとめた。

引き続き広く情報や意見を募集するなど、現在も調査を継続している。今後、その結果を公表する予定だ。

■ 経済安全保障と独占禁止法に関する事例集

公取委は25年11月、「経済安全保障と独占禁止法に関する事例集」を公表した。経済安全保障の観点から実施する行為について、独占禁止法に違反する恐れがあるとの漠然とした懸念などにより事業者間の対話が萎縮してしまうとの論点提起を受けたことが背景にある。

事例集では、経済安全保障に関連する15の想定事例について、独占禁止法上の考え方を示した。公取委は、事例集の周知や、事業者等からの相談への対応を積極的に行っていく。

◇◇◇

説明の後、取適法施行後の実務への影響や、デジタル分野や経済安全保障に関する取り組みなどについて意見交換を行った。

【経済基盤本部】

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