クラッツ氏
ウィリアムズ氏
経団連は2月26日、東京・大手町の経団連会館で中国委員会企画部会(鈴木健史部会長)を開催した。米国コンサルティング会社ロジウム・グループのアガサ・クラッツ パートナーならびにグレゴール・ウィリアムズ シニアアナリストから、中国の経済情勢や米中関係等について、説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。
■ 中国の経済情勢
ロジウム・グループでは、中国の実質GDP成長率について、2025年は2.5~3%程度、26年は1~2.5%程度と分析しており、中国経済の弱さは続くとみている。
国内では生産能力の過剰が改善されない一方、内需が極めて弱いため、第三国への輸出拡大につながっている。AIやロボットによる生産性向上と通貨安が輸出競争力を高めていることも相まって、25年の中国の貿易黒字は過去最高を記録した。26年も同様の状況が続くと分析している。
こうしたなか、中国の輸出拡大が第三国の産業や雇用に影響を与えており、今後、各国はローカルコンテンツ規制や公共調達の制限など、保護主義的な通商措置を強めていくと予想している。
■ 米中関係
米国は強硬な対中政策を維持しつつ、同時に中国に対しては取引のようなアプローチを採用している。この背景には、中国が重要鉱物で大きなレバレッジを有していることが挙げられる。中国は米国の関税措置に対して全面的な報復措置を講じた唯一の国だ。
ロジウム・グループは、今後3年以内に米国が中国に対してより競争的な姿勢に戻る可能性が高いと分析している。近く見込まれる米中首脳会談で大きな取引が成立しなければ、米国は中国との取引をやめ、対中姿勢を急速に硬化させる可能性もある。
■ 中国企業といかに競争するか
中国企業は輸出と投資の拡大を通じて、ASEAN、欧州、南米をはじめ世界中で存在感を高めている。一方で欧米企業や日本企業は、中国企業との競争激化により、中国やASEAN市場におけるシェアを低下させている。
中国企業の価格競争力の背景には、政府の補助金に加え、垂直統合、規模の大きさ、研究開発コストの低さという構造的な優位性がある。これに対抗するためには、自動車産業で顕著であるように、現地での研究開発推進とサプライヤーとの関係強化が必要だ。
【国際協力本部】
