岡野氏
経団連は3月6日、女性活躍推進法や労働施策総合推進法等の改正に関する説明会をオンラインで開催し、約480人が参加した。厚生労働省雇用環境・均等局の岡野智晃雇用機会均等課長から、女性の活躍推進や職場におけるハラスメント防止に向けた新たな措置について説明を聴いた。概要は次のとおり。
■ 女性の活躍推進
わが国の男女間賃金差異は、縮小傾向にあるものの依然として大きい。女性管理職比率も、上昇傾向にあるものの国際的には低い水準にある。
そこで職業生活における女性の活躍をさらに推進すべく、女性活躍推進法が改正された。同法の期限を2036年3月末まで延長するとともに、女性活躍に関する情報公表の強化や、女性活躍の推進は女性の健康上の特性に配慮して行われるべき旨の明確化等が図られた。
具体的には、従業員数101人以上の企業に、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務付けられた(従業員数301人以上の企業は、22年7月から男女間賃金差異の公表が義務化)。これらの項目は、厚労省の「女性の活躍推進企業データベース」での公表が最も適切とされた。
企業には、データベースの説明欄を積極的に活用し、男女間賃金差異の要因分析の結果や改善に向けた取り組みについて、追加的な情報公表を行うことが望まれる。
女性活躍推進法の基本原則では、女性活躍の推進は女性の健康上の特性に留意して行われるべき旨が明確化された。
そのうえで、同法に基づく事業主行動計画策定指針に、女性の健康上の特性に配慮した取り組みの実施が望ましいことや具体的な取り組み例(ヘルスリテラシー向上の取り組み、休暇制度の充実、柔軟な働き方の実現等)が明示された。
女性活躍に関する取り組みが優良な事業主を認定する「えるぼし認定」に加え、女性の健康支援に積極的な事業主を認定する「えるぼしプラス」が新たに創設された。
改正法に基づく措置は26年4月1日から施行される。
■ ハラスメント対策の強化
これまでパワーハラスメント等の職場におけるハラスメントへの対策が強化されてきた。しかし都道府県労働局への相談件数は高止まりしており、近年は、カスタマーハラスメントや、求職者等に対するセクシュアルハラスメントが社会問題化している。
そこでカスタマーハラスメントおよび求職者等に対するセクシュアルハラスメントの対策として、労働施策総合推進法および男女雇用機会均等法が改正され、雇用管理上の措置を講ずることが事業主に義務付けられた。
いずれも具体的な措置として、(1)事業主の方針等の明確化およびその周知・啓発(2)相談体制の整備(3)事後の迅速かつ適切な対応(4)プライバシー保護等の併せて講ずべき措置等――が指針で定められている。
指針ではカスタマーハラスメントを「職場において行われる顧客等の言動であって、その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、労働者の就業環境を害する行為」と定義し、「顧客等」の具体例や社会通念上許容される範囲を超えた言動の典型例、事業主が行うことが望ましい取り組み等を示している。
ハラスメント対策の強化に関する措置は、26年10月1日から施行される。
この他、性的指向やジェンダーアイデンティティ(性自認)を開示するいわゆる「カミングアウト」の強要と禁止が、パワーハラスメントに該当し得ることが指針に明記された。
【労働法制本部】
