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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年4月23日 No.3727 企業取引研究会での議論を踏まえて -公取委と意見交換/経済法規委員会競争法部会

柴山氏

経団連は3月19日、経済法規委員会競争法部会(大野顕司部会長)をオンラインで開催した。公正取引委員会経済取引局取引部の柴山豊樹企業取引課長から、企業取引研究会(以下、研究会)での議論を踏まえた対応の方向性について説明を聴き、意見交換した。説明の概要は次のとおり。

中小受託取引適正化法(取適法)が2025年5月に成立し、26年1月から施行された。取適法の六つのポイントは、(1)協議に応じない一方的な代金決定の禁止(2)手形払いなどの禁止(3)運送委託の対象取引への追加(4)従業員基準の追加(5)面的執行の強化(6)「下請」等の用語の見直し――だ。

取適法の適用対象となる大企業と中小企業の取引は、価格転嫁の推進をはじめ、取引適正化が進んでいる。一方で、サプライチェーン全体での取引適正化には課題が残る。そこで、25年7月から研究会を再開し、三つの方策について検討を進めてきた。

一つ目は適切な価格転嫁の環境整備。取適法の対象外である大企業同士や中小企業同士の取引では、実効的な価格協議が行われていないのが現状だ。研究会でも、価格転嫁は社会全体で取り組むべき重要な課題との認識が、大企業を中心に十分に浸透していないとの指摘があった。

公取委は、実効的な価格協議が独占禁止法の優越的地位の濫用規制の判断に当たって考慮要素になることを明確化するため、優越ガイドラインに、実効的な協議が行われず対価が決定される場合を追記することを検討している。

公取委ウェブサイトの質問コーナーには、取引先に価格転嫁への理解を求めることは直ちに問題とならない旨を明確化する。

二つ目は支払い条件の適正化。取適法では支払期日として給付の受領日から60日以内を設定することを義務付けているが、対象外の取引では支払期日に関する具体的な基準がない。研究会では、サプライチェーン全体で資金繰りの負担が偏在しているとの指摘があった。

公取委は、新たな独占禁止法上の告示(特殊指定)を策定し、「製造委託等」の取引を対象に、支払期日が適切に設定される環境を整備する方針だ。

具体的には、製造委託等の発注者が、正当な理由がないのに受領後60日以内に代金を支払わないことを禁止する規定を設け、取適法の対象外である取引にも規律を広げる。

三つ目は物流に関する商慣習への対応。着荷主が契約にない荷待ちや荷役等を運送事業者に要請する行為が問題となっているが、現行制度では着荷主の行為に対する実効的な対応が難しい。研究会では、発荷主と着荷主の関係に着目し、運送事業者へ附帯業務の代金が確実に支払われる仕組みが重要という指摘があった。

物流特殊指定の見直しを行い、着荷主が発荷主に運送事業者を通じて契約外の荷待ちや附帯業務等を行わせ、発荷主の利益を不当に害する行為を新たに規制の対象とする方針だ。物流特殊指定に、取適法の改正内容を反映することも検討している。

公取委は、3月12日から特殊指定の見直し等に関するパブリックコメントを開始しており、4月13日を締め切りとしている。6月中に告示(特殊指定)および優越ガイドラインを公表し、27年4月1日からの施行を予定している。

【経済基盤本部】

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