経団連は3月23日、「iDeCoをはじめとした私的年金に関する説明会」をオンラインで開催した。厚生労働省年金局の海老敬子企業年金・個人年金課長から、私的年金制度見直しのポイントについて説明を聴いた。
本説明会は、上野賢一郎厚労大臣からのiDeCo(個人型確定拠出年金)の一層の活用に向けた周知の協力要請を受けて実施したもの。海老氏の説明の概要は次のとおり。
■ 私的年金制度の概況
わが国の年金は基礎年金と厚生年金の1~2階部分の上に、3階部分の私的年金(企業年金、iDeCoなど)を合わせることで、老後生活の多様な希望やニーズに対応している。
■ 制度改正
2025年の年金制度改正では、私的年金についても、高齢期の生活の安定を図る観点から見直されることとなった。
第一に、企業型確定拠出年金(企業型DC)、iDeCoの拠出限度額が26年12月から引き上げられることとなった。具体的な引き上げは下図のとおり。
(図表のクリックで拡大表示)
第二に、拠出限度額の引き上げに関連して、26年4月から企業型DCについて、事業主の拠出に上乗せして加入者が掛金を拠出する(マッチング拠出)際に、加入者掛金が事業主掛金額を超えられない制限が撤廃されることとなる。
企業型DCについては、マッチング拠出の制限撤廃と、拠出限度額の引き上げが相まって、活用の柔軟性が高まることとなる。
第三にiDeCoについて、26年12月から加入可能年齢も引き上げられ、70歳未満まではiDeCoを活用した老後の資産形成の継続が可能となる。
これらに加えて、確定給付企業年金(DB)、企業型DCに関しては、今回の法改正で「運用の見える化(情報開示)」が盛り込まれた。
各企業年金の運用状況について毎年の事業報告書や決算に関する報告書の記載項目をベースに厚労省が情報を集約し、公開することとなる。現在、公表項目の検討などを進めている。
■ iDeCo活用に向けて
iDeCoについては、働いている人が6000万人いるなか、現在の加入者数が約360万人であることを考えれば、活用できる層はまだ多い。
従来の税制優遇メリット((1)掛金が全額所得控除(2)運用益は非課税で再投資(3)受給時の税制優遇)に加え、前述した今回の制度見直しにより、活用の幅がさらに広がることとなる。
多様な働き方が進展するなか、事業主には、老後資産のあり方を考えるきっかけとして今回のiDeCoの制度改正内容の従業員への周知に協力してほしい。
その際、企業年金の有無や掛金額によりiDeCoの拠出限度額も変わるため、自社の企業年金制度に関する周知も併せてお願いしたい。
iDeCoの実施主体である国民年金基金連合会が公式ウェブサイトを開設しており、制度の詳細を確認することができる。
今後も企業年金制度の積極的な活用とともに、iDeCoを含めた私的年金の周知に協力いただきたい。
https://www.ideco-koushiki.jp/
【経済政策本部】
