吉田氏
国際標準戦略の推進に当たっては、市場創出に向けて認証スキームの構築や組み込みも見据えて規格開発を行うなどの戦略的な取り組みが重要であり、認証に係る専門組織である国内の認証機関、認証機関の対外的信頼性確保に資する認定機関への期待が高まっている。
認証・認定機関によるコンサルティング活動は、公平性の観点から、その範囲が国際的に制限されているが、企業からは、各国の規制・規格・認証制度に関する情報提供や技術的な助言、ベストプラクティスの共有といったニーズがある。
こうした要望を踏まえ、日本認定機関協議会(JAC)は2025年8月、認証・認定機関が実施可能なコンサルティング活動のあり方や範囲を取りまとめ、公表した。
経団連は4月3日、東京・大手町の経団連会館で、知的財産・国際標準戦略委員会国際標準戦略部会(澤井克行部会長)を開催し、JAC事務局の吉田耕太郎氏(製品評価技術基盤機構フェロー)をはじめ、JACに所属する五つの認定機関を招いた。
前述のJACの取りまとめや、提供可能なサービスについて説明を聴いた。概要は次のとおり。
■ JACの概要
JACは06年、経済産業省に設置されている日本産業標準調査会(JISC)の要請を受け、認定機関と各省庁担当部局が議論する場として発足した。
現在、日本適合性認定協会(JAB)、製品評価技術基盤機構適合性評価推進センター認定センター(IAJapan)、情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)、農林水産消費安全技術センター認定センター(JASaff)、電磁環境試験所認定センター(VLAC)の五つの認定機関から構成されている。
■ 活動の公平性に関する提言の概要
24年度の経産省「認証産業活用の在り方検討会」で、認証・認定機関による公平性を損なわないコンサル行為のあり方を明確化し、必要な体制を整備すべきとの課題が示された。
国際標準化機構(ISO)では、客観性確保のため、審査を行う人物が審査対象の個別の課題について解決方法等をアドバイスすることを禁止している。他方、審査前の一般的な情報提供といった活動は実施可能だ。
海外では、企業が認証審査を受ける前に、適合性評価制度の仕組み、文書の作成方法、他国の適合性評価制度等の必要な情報を提供するサービスが増えている一方、日本ではそのような機会が乏しい。
そこで、今般の取りまとめでは、認証・認定機関は、認証・認定基準の意味や意図の説明、関係する理論、方法論、技術等の説明、機密情報でない関連するベストプラクティスの情報共有等を積極的に行うべきと提言した。
JAC所属の5機関では、現在、コンサル機能を充実させるための認定部門とコンサルティング部門の分離や、適合性評価に関する情報発信等を積極的に進めている。
JACとしても、さまざまな関係機関と協力し、企業のニーズを把握しながら、セミナーや意見交換の機会を通じた情報発信を強化していく。規格の開発段階から、企業、認証機関、スキームオーナー等の関係者が協議するためのコミュニティ構築にも取り組む。
【産業技術本部】
