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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年5月28日 No.3730 米国エネルギー政策の動向と見通し -国際エネルギー情勢講演会を開催/中東情勢を踏まえて

ウォクナー氏

経団連は4月20日、東京・大手町の経団連会館で国際エネルギー情勢に関する講演会を開催した。米国最大手の法律事務所、K&L Gatesのデイビッド・ウォクナー マネージング・パートナー(米国・DC)から、米国のエネルギー政策に係る最新動向や見通しについて説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 米国石油・ガス産業の優位性

ワシントンDCで25年間、石油・ガス業界の法実務に携わってきた。現在の国際エネルギー市場は、イラン情勢とトランプ政権の政策が相まって、かつてない変革に直面している。ホルムズ海峡を巡る情勢や要人発言の一つひとつに大きく影響され、原油価格の乱高下が続いている。

エネルギー輸入依存度の高い日本にとって、その影響は極めて大きいだろう。

現下の中東情勢は、豊富な資源を持つ米国の石油・ガス産業に追い風となっている。米国の石油事業の平均損益分岐点は1バレル当たり62ドルとされ、現在の価格水準を踏まえると、米国内での生産には大いに経済性があるためだ。

トランプ政権は、石油・ガス産業を後押しする多くの大統領令を出している。連邦政府公有地へのアクセス権の付与、アラスカでの掘削許可、環境アセスメントの迅速化などだ。

新規の石油・ガス掘削許可数は政権発足後の15カ月で6100件を超え、前政権の1年間より55%増加した。

連邦政府公有地の売却は、米国の債務削減にも貢献している。

液化天然ガス(LNG)に関しては、前政権下で停滞していた案件の進捗を再加速させ、年間1億600万トン規模の輸出案件を承認している。

■ 具体的な投資機会

米国の石油生産の48%を占めるパーミアン盆地の損益分岐点は40ドル前後とさらに低コストであり、今後も活発な生産継続が見込まれる。東海岸のアパラチア盆地も大需要地に近く、投資は継続される。

米国の天然ガス生産はこの25年で大幅に拡大しており、世界最大のLNG輸出国になりつつある。当法律事務所が規制および政策面でのリードカウンセルを務めるアラスカのLNGプロジェクトは、トランプ政権も強く支持しており、日本企業にとって重要な戦略的投資案件だ。

■ 日本企業のリスク

米国の石油・ガス分野には、日本企業に有力な投資機会が広がっている。他方でリスクもあり、企業はリスクを踏まえた投資判断を行う必要がある。

投資に伴うリスクとしてはまず、(1)中東を含む地政学リスク(2)価格のボラティリティ(3)関税による設備コストの上昇や最終投資決定の遅れ――など企業が投資を決定する際に織り込むことが可能なものが挙げられる。

加えて足元ではLNG需要が高まっているものの、イラン情勢を受けて各国がエネルギー源の多角化を進めるなか、中長期的には(4)過剰投資となるリスク――もある。

あわせて(5)米国の政治リスク――もあるものの天然ガスは民主党政権下でも一定の支持が維持されてきたことから、政策の連続性はある程度期待できる。

トランプ大統領はディールを重視し、かつてなく政治がビジネスへ直接介入している。日本企業には従来とは異なる対応力が求められる。

◇◇◇

その後の意見交換では、LNGに対する中長期の需要や米国の政治ボラティリティを巡って議論が交わされた。

【環境エネルギー本部】

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