遠藤氏
西岡氏
権守氏
早川氏
大津氏
経団連とW society(注)は5月22日、「女性活躍を、組織の力に~女性の健康とキャリア支援」と題したオンラインセミナーを共催し、約400人が参加した。
DE&I(Diversity, Equity & Inclusion)に特化したメディア「MASHING UP」の遠藤祐子理事が進行を務めた。
清水建設の西岡真帆コーポレート企画室ブランディング担当部長、野村ホールディングスの権守るりこカルチャー&エンゲージメント部長、メルカリの早川アンジー亜貴People & Culture Director, People Experience、UBEの大津志保人事部長の4人がパネル討議を行った。
女性の健康課題への対応、多様な人材が活躍できる組織づくり等を議論した。概要は次のとおり。
■ 現場の課題から制度を改革
冒頭、各社の取り組みが紹介された。
清水建設は、建設現場での女性用トイレや更衣室整備、女性用ユニフォーム導入などを推進している。西岡氏は「設備がなければ女性は安心して働けない。まず環境整備が重要」と指摘した。
野村ホールディングスは、2021年の健康意識調査を契機に、全社員向け女性健康研修や低用量ピル費用補助などを導入している。権守氏は「制度をつくるだけでなく、必要性を丁寧に伝え続けることが大切」と述べた。
メルカリは、多様な人材が挑戦できる環境整備を重視し、育児・不妊治療・卵子凍結支援などを「merci box」として展開している。早川氏は「女性だけの制度にしないことを意識している。男性も含め、誰もが利用できる制度設計が重要」と説明した。
UBEは、健康経営とDE&Iを一体で推進している。女性比率の低い製造現場では、女性用設備の整備に加え、男性社員の理解促進にも取り組む。大津氏は「女性が健康課題を安心して話せる、心理的安全性の高い職場づくりが必要」と強調した。
■ 理解を広げ、組織文化を変える
パネル討議では、制度整備に加え、管理職の理解や経営層を含めた男性の巻き込み、組織風土づくりを議論した。
各社に共通していたのは、トップによる発信と継続的な理解醸成の重要性だ。野村ホールディングスではトップダウンとボトムアップの両面から理解浸透を進め、メルカリでは経営層自らが男性育休を取得している。UBEはアンケート結果の共有やハンドブック整備を進め、清水建設はヘルスリテラシー教育を継続している。
各社からは、女性の健康支援を一部の人だけの施策とせず誰もが働きやすい職場づくりにつなげることが重要との見解が示された。
制度が導入されただけでなく自然に活用される環境、相談しやすい風土づくり、重要業績評価指標(KPI)やアンケート等を通じた効果検証と継続的な改善が重要との認識も共有された。
登壇者からは「DE&Iは一部の人のためのものではない。誰もが力を発揮できる組織づくりが大切」「制度を自然に活用できる文化づくりが重要」といった声が上がった。
4社は健康支援を個人の問題にとどめず、組織力向上や企業競争力につなげる観点から、今後も多様な人材が活躍できる環境整備を進めるとの考えを示した。
(注)「社会と変える、女性の未来」というスローガンのもと、ヘルスケアの啓発を通じて、女性がより快適に、前向きに人生を歩める社会の実現を目指して活動しているプロジェクト
【ソーシャル・コミュニケーション本部】
