諸冨氏
樋口氏
経団連は5月14日、東京・大手町の経団連会館で、労働法規委員会労働安全衛生部会の3ワーキンググループによる合同会合を開催した。
厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課の諸冨伸夫課長、樋口政純産業保健支援室長から「労働者の健康保持増進のあり方に関する検討状況」について、説明を聴くとともに意見交換した。概要は次のとおり。
■ 検討の背景と経緯
政府では、健康寿命の延伸を図り社会保障の担い手を拡大する観点から、がん検診や歯科健診の推進等による「攻めの予防医療」を重要政策課題と位置付けている。
事業場でも、労働安全衛生法(安衛法)第69条第1項に基づき事業者が講じる健康保持増進措置(努力義務)を活用して疾病の早期発見、早期治療を図るとともに、疾病の治療が必要な労働者には治療と仕事の両立支援につなげていく必要がある。
厚労省ではこうした一連の流れを円滑に進めていくため、事業者が講ずるよう努める措置の原則的な実施方法を定めた「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(THP指針)のあり方等を議論する有識者検討会を立ち上げ、4月24日に初回会合を開催した。
検討会には経団連を含む労使団体や学識経験者、医療関係者が構成員として参画している。
■ 議論と今後の見通し
第1回検討会では、労働者の健康保持増進措置の位置付け、その措置を通じた予防の対象、事業者と保険者との連携のあり方等を議論した。
構成員からは次のような意見があった。
- 業務起因性が必ずしも認められない疾病の予防に向けた取り組みは事業者の主体性に基づいて進めていくことが基本
- THP指針における予防の対象として、がんや歯周疾患、女性特有の健康課題等を追加することには賛成
- 労働者に対する健康教育やがん検診への理解促進が大切
- 経営資源の少ない中小企業では、事業者と医療保険者との連携強化が特に重要
- 事業者による健康保持増進措置の取り組み状況の把握も必要
THP指針の改正を通じて攻めの予防医療を推進するという方向性については、了解を得たものと認識している。
次回は事業者や医療保険者、健診実施機関から取り組み状況をヒアリングし、論点に関する議論を継続する。そのうえで第3回と第4回では、THP指針の改正案を議論したい。
◇◇◇
説明後の意見交換で参加者からは、次のような意見が出された。
- 国民の健康を守る主体は医療保険者だ。コラボヘルスの枠組みで事業者がどのような役割を果たせるかを考えることが重要
- 健康の保持増進に向けた施策の強化に当たり、地域の医療機関や健康診断実施機関の体制強化も課題
- 事業者の取り組みを促すに当たり、疾病の早期発見、早期治療を通じた労働力の確保というメリットの訴求が効果的
- 健康保持増進に対する労働者の意識高揚も課題
【労働法制本部】
