石倉氏
経団連は6月2日、東京・大手町の経団連会館でダイバーシティ推進委員会企画部会(工藤禎子部会長〈当時〉)を開催した。
STEM(科学・技術・工学・数学)分野における女性比率の向上は、日本の競争力に関わる重要な課題だ。
そこでSTEM分野の女性比率を高める目標を掲げる山田進太郎D&I財団の石倉秀明COOから「STEM×女子の課題解決のための産業界の役割」をテーマに説明を聴き、意見交換した。概要は次のとおり。
■ なぜ女性のSTEM分野への進学率を引き上げるのか
日本の女子生徒は数学・科学分野で世界トップレベルの学力を有しているにもかかわらず、STEM系学部の入学者に占める女子比率はOECD諸国で最低水準の22.44%(2025年現在)だ。
私たちは35年までにこれを財団設立時(21年)のOECD平均を上回る28%にまで引き上げようとしている。
なぜ女性のSTEM分野への進学率を引き上げるべきか。第一に、本人のキャリア形成や所得向上につながるからだ。第二に、組織の男女比率が近づくほどパフォーマンスが上がることが実証されており、イノベーションの創出も期待できるからだ。
■ ロールモデルが選択肢を広げる
研究によると、進学率の低さは学力では説明できない。ジェンダーバイアスもSTEM分野に進学する女性が少ない結果論として生まれている。親や先生の反対が女子の進路に有意な影響を与えていないといった研究結果が出ている。
人は見たことのないものを将来像として描きにくい。したがって、多様な仕事や働き方を知る機会があれば、それは進路選択に大きな影響を与える。
なかでも女子生徒のSTEM分野への進学を後押しするうえでカギとなるのが、女性のロールモデルとの接触だ。それも著名人や天才型の特別に優秀な人材ではなく、人柄や育った背景など「手の届く距離感」の若手の社会人のロールモデルの方が「自分にもできるかもしれない」「自分にも選べる進路だ」との実感につながり、進路選択に有意に影響する。
■ 産業界にできること
女性STEM分野人材の不足は各社共通の課題だ。一方、その解決には人材の奪い合いではなく、母数そのものを増やすことが必要だ。
ただし35年にSTEM系学部全体で女性比率30%を実現するうえで、現在のトレンドに付加して起こすべき変化は「文系志望者100人のうち約1人が理系進学を選択するだけ」で可能だ。
中高生の多くは理系職種について、医師や研究者など白衣を着た人の仕事しか知らない。企業で働く女性社員が自身の仕事やキャリアを語ることを通じて、STEM分野で働く女性に多様な活躍の場があることを伝えることで変化が期待できる。これこそが産業界ならではの役割だ。
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講演の後、教育制度や進路選択のあり方、理系人材のキャリア形成、STEM分野への関心の喚起、職場環境や組織文化の変革などについて活発な意見交換が行われた。
山田進太郎D&I財団
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【ソーシャル・コミュニケーション本部】
