経団連と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は5月25日、東京・大手町の経団連会館で第4回「経団連・GPIFアセットオーナーラウンドテーブル」を開催した。
GPIFが株式投資で採用しているESG(環境・社会・ガバナンス)指数を扱うESG評価機関のうち、MSCIおよびS&Pグローバルから取り組みを聴くとともに意見交換した。
会合には、GPIF、国家公務員共済組合連合会(KKR)、地方公務員共済組合連合会(地共連)、日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)らアセットオーナーと、経団連金融・資本市場委員会(髙島誠委員長、中田誠司委員長、佐藤雅之委員長)の委員ら約90人が参加した。
各機関の説明の概要は次のとおり。
■ MSCI
当社の指数にベンチマークされている資産は世界全体で約18兆ドル、気候・サステナビリティ関連指数に限っても1兆ドル超に上る。
当社のESG格付けは、財務的に重要なESG課題に焦点を当て、業種ごとのリスクや機会などを踏まえて相対的に評価する仕組みだ。特にガバナンスは、業種を問わず重要な経営基盤と評価している。
同じ業種であっても対象企業の特性を踏まえ、キーイシューの選定とウエートの付与方法を変えている。
GPIFは当社の指数を二つ採用している。日本株ESGセレクト・リーダーズ指数は、各業種内でESG評価上位の企業を選別したセレクション形式の指数だ。リバランス時には運用上の安定性に配慮し、ボーダーライン付近の銘柄が毎回大きく入れ替わらないように工夫している。
日本株女性活躍指数(WIN)は、性別多様性スコアで企業をランク付けし、女性活躍の観点を指数に反映している。
当社のウェブサイトでは、各指数のファクトシートやメソドロジー(算出ルール)を公表している。ポータルサイトや専任窓口を通じて、評価対象企業からの自社の評価に対するフィードバックも受け付けている。
メソドロジーの変更やアップデートを行う場合は、事前にコンサルテーションとして市場の意見を募集しており、発行体からの参加も期待している。
■ S&Pグローバル
当社は指数算出とESG評価をグループ内の別会社で行っている点が特徴だ。指数設計の際は、投資テーマの実現だけでなく、ESG評価を構成銘柄に反映するプロセスの透明性向上を図るとともに、投資商品としての安定性にも配慮している。
GPIFが採用している「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」では、メソドロジーに加え、全ての構成銘柄やカーボン情報開示の有無などをセクター別にウェブサイトで開示している。
この指数は、環境データに強みを持ち、日本企業約2000社のデータを収集しているTrucostと、日本企業約1800社のESG・サステナビリティ対応を評価しているCorporate Sustainability Assessment(CSA)という二つの調査を活用している。
2025年には約600社がCSAに回答した。CSAの結果を参照している企業まで含めると約900社であり、これはTOPIXウエートの約90%を占める。
外部機関の調査で、当社は品質や有用性の面で高い評価を得た。当社では企業との建設的な対話を可能にする体制を整備しており、今後も質問への回答やメソドロジーの明確化に取り組んでいく。
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説明後は、企業側から、情報開示のグローバル基準との整合性や時代の変化を踏まえた指標の妥当性について課題が提起されるなど、指数会社と企業とのコミュニケーションのあり方について活発な議論が交わされた。
【ソーシャル・コミュニケーション本部】
