チャイルド氏
経団連は6月12日、東京・大手町の経団連会館で、欧州委員会環境総局のパトリック・アンソニー・チャイルド副総局長と懇談した。
経団連からは、野田由美子副会長・環境委員長らが出席し、サーキュラーエコノミー(CE)の実現に向けた取り組みについて意見を交わした。
冒頭でチャイルド氏は、EUの取り組みを説明した。概要は次のとおり。
CEは、現在のEUの経済政策における最重要課題の一つだ。地政学的リスクの高まりや重要原材料の確保を巡る競争の激化を背景に、競争力と経済安全保障の観点から域内での資源循環の強化が欠かせない。
欧州委員会は年内に、CE法の採択を目指している。CE法は、2次資源の域内単一市場の構築、需給両面の強化、制度の断片化の解消などを目的とする。拡大生産者責任制度や廃棄物終了基準などについて、加盟国間で制度を整合させることなどが検討されている。
公共調達の活用やリサイクル材使用の義務付けなどを通じて、2次資源に対する需要創出も図る。これらの施策により、2次資源の市場規模を拡大し、投資を呼び込み、1次資源に依存しない持続可能な経済構造の実現を目指す。
欧州のCE施策における重点分野の一つに、電気・電子機器廃棄物がある。回収率の向上や対象製品範囲の拡大、重要原材料の回収強化などが課題だ。
エコデザイン規則は、域内市場に流通する製品の環境要件を定める規則だ。現在は繊維製品および鉄・鉄鋼を中心に、規制の潜在的な影響について調査を進めており、各分野の専門的な協議を始めようとしている。
2026年8月に発効する包装・包装廃棄物規則は、EU市場で製品や包装を流通させる企業に大きな影響を与え得る。貿易を妨げず円滑に実施できるように、日本の事業者とも緊密に連携したい。
25年9月、日本と欧州委員会環境総局が主導する、CEに特化した合同ワーキンググループが発足した。そこでは日EU間のさまざまな検討課題について、継続的に協議を行っている。
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意見交換では、経団連側出席者から、CEの取り組みが遅れているEU加盟国について、いかにしてその水準を引き上げていくかとの質問があった。
これに対してチャイルド氏は、法の整備・執行だけでなく、さまざまな形での支援が必要と回答。財政的支援、有害な補助金への対処、バイオエコノミーなど関連施策の推進、好事例の共有など、支援内容は多岐にわたると紹介した。
プリント回路基板などの電子スクラップについては、EU域内だけではリサイクル能力が十分でないため、日本など信頼できるパートナー国との連携が必要との指摘があった。
これにチャイルド氏は同意し、信頼できるパートナー国とは互恵的な貿易関係を維持し続ける一方で、そうでない国に対しては、必要な措置を講じる必要があると応じた。
【環境エネルギー本部】
