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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年7月16日 No.3737 AI関連発明の動向 -特許適格性が拒絶される事例/米国知的財産所有者協会と懇談

米IPO一行

経団連は6月9日、東京・大手町の経団連会館で、来日した米国知的財産所有者協会(IPO)アジア実務委員会のロバート・シミンスキ副委員長、マイケル・ダウレリオ副委員長らとの懇談会を開催した。日米の知的財産制度を巡る動向などについて意見交換した。IPO側の発言概要は次のとおり。

近年、AIを利用した発明が増えている。米国でのAI関連発明に関する動向を紹介する。

日本と異なり米国では、特許法第101条で定められている「特許適格性」の審査を受ける必要があり、特にIT関連発明では101条拒絶が問題となる事例が多い。

米国特許商標庁(USPTO)は2024年に特許適格性に関するガイダンスを出しており、AIを利用した発明についても、ソフトウエア関連発明と同様の基準で審査される。

AI関連発明では、特許請求項(クレーム)に、司法上の例外事項である抽象的アイデア、すなわち(1)数学的概念(2)ビジネス活動などの人間の活動を体系化する方法(3)思考プロセス――といった内容が記載されているかがポイントとなる。

抽象的概念が記載されている場合でも、司法例外を著しく超えるような技術的課題の改善など、司法上の例外を実用的応用に統合していると評価された場合には、特許適格性が認められ得る。

AI関連発明については(3)の思考プロセスが最も頻繁に引用されるが、人間の脳内で実際に行うことができない処理は思考プロセスではなく、抽象的概念には該当しないとされる。

AI関連発明の特許出願における明細書では、発明が単なる思考プロセスとして受け取られないよう、技術的課題を解決することを明示することが重要だ。

例えばニューラルネットワークを単なるブラックボックスとして記載するのではなく、モデル構造や学習方法、学習データ等の技術的な詳細を記載することが求められる。

処理がリアルタイムで実施される場合、人間では実行が不可能な処理だと主張しやすくなるため、クレームに「リアルタイム処理」といった要素を盛り込むことで、101条拒絶を克服できる可能性があるという指摘もあった。ただし、このような記載が全ての事例で有効となるわけではない。

25年のデジャルダン事件では、機械学習モデルのトレーニング方法に関する出願について、特許審判部(PTAB)が抽象的概念に該当するとして101条拒絶とする判断を下した。

その後、USPTOのジョン・A・スクワイアーズ長官を含む上訴審査パネル(ARP)が招集され、この発明が単なる数学的アルゴリズムにとどまらず、AIモデルの性能を向上させる技術的改良を実現しているとして、PTABによる101条拒絶を取り消した。

この事件では、司法上の例外を実用的応用に統合しているか否かを判断するうえで、技術的課題に対する技術的解決策を明細書に記載することの重要性が示された。

101条拒絶を回避するためには、請求項に技術的に意味のある改善や実用性を示すことが必要だ。その際、AIによる判断結果を用いて物理的装置やシステムを「制御する」要素を含めることで、実務的応用性が認められやすくなる可能性がある。

AI関連発明の発明者要件については、人間の貢献度が論点になることが多い。米国では証拠とするため、AIの利用に関して随時記録を取っている企業が多い。

【産業技術本部】

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