経団連は6月30日、都内で地域経済活性化委員会(木原正裕委員長、都司尚委員長)を開催した。
内閣官房地域未来戦略本部事務局の海老原諭事務局長、経済産業省経済産業政策局の宮本岩男政策統括調整官から「地域未来戦略の推進」について、国土交通省国土政策局の宮沢正知総合計画課長から「新たな広域地方計画」について、説明を聴くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。
左から宮沢氏、海老原氏、宮本氏
■ 内閣官房、経産省
政府は2014年以降、人口減少に歯止めをかけ、東京一極集中を是正するため、地方創生を進めてきた。
24年には経団連が「新たな道州圏域構想」を提唱し、単一の地方自治体単位ではなく、より広域のブロック単位で戦略を描いて投資を呼び込み、産業を育てる必要があるとの認識が広がった。
これを踏まえ政府は、25年に「広域リージョン連携」を制度化し、その取り組みを進めてきた。
高市内閣の今般の地域未来戦略では、地方から日本を成長軌道に押し上げるべく、これまで以上に「強い地域経済の構築」に力点を置いている。
この戦略に基づき、47都道府県のどこに住んでいても安全に生活でき、必要な医療・福祉や質の高い教育を受けられ、働く場所がある社会の実現を目指す。
そのため都道府県を超えたブロック単位の「戦略産業クラスター計画」、都道府県単位で地場産業の投資促進等を支援する「地域産業クラスター計画」、都道府県・市町村単位での「地場産業成長プラン」の三つの計画を中心に、地域の稼ぐ力を高めていく。
戦略産業クラスター計画は、広域リージョン連携で生まれた産業振興の芽を引き継ぐ面もある。「日本成長戦略」の17分野の危機管理投資・成長投資を起爆剤に、それを支えるインフラ整備として、例えば産業クラスター形成に必要な鉄道、造船、道路といった拠点整備のほか、サプライチェーンへの投資も、既存の予算とは別枠で大胆に進めていく。
各地域で産業、人材、インフラを一体で整備し、日本経済全体の成長につなげていきたい。
■ 国交省
広域地方計画は、国土形成計画(全国計画)を基本に、八つの区域ごとに今後10年間の国土の将来像や主要施策を定めるものだ。今般、地域未来戦略との整合性を図りつつ、新たな計画を策定した。
計画には、(1)各地方の産業等の強みを生かしたプロジェクト(2)生活に身近なコミュニティを基礎的な単位としつつ、市町村界にとらわれず、官民のパートナーシップにより、暮らしに必要なサービスが持続的に提供される「地域生活圏の形成」に向けたプロジェクト――を盛り込んでいる。
人口減少が進む地域では、医療、交通、買い物などの生活サービスの維持が課題となる。こうした地域で重要な役割を果たすのが「民間の地域経営主体」だ。人材、情報、ノウハウ等のリソースを活用しながら、地域内外のさまざまな主体をつなぐ役割を担い、地域全体のマネジメントや課題解決を進めることが期待される。
国交省では、地域経営主体の育成を支援する事業を実施している。こうした地域レベルの取り組みも広域地方計画に位置付けて、地域生活圏の形成を推進していく。
【産業政策本部】
