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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年8月6日 No.3740 生物多様性・自然資本保全 -統合的取り組み促進に向けた懇談会/NP、CN、CEとの先進的統合事例に学ぶ/経団連自然保護協議会

経団連自然保護協議会(西澤敬二会長)は6月23日、生物多様性・自然資本保全に関する統合的取り組みの促進に向けた懇談会を東京・大手町の経団連会館とオンラインのハイブリッド形式で開催した。

この懇談会は、経団連と経団連自然保護協議会が2025年11月に公表した「生物多様性・自然資本保全に関する統合的取組み事例集」(25年11月20日号既報)に掲載された先進事例を踏まえ、カーボンニュートラル(CN)、サーキュラーエコノミー(CE)、ネイチャーポジティブ(NP)への統合的取り組みに対する理解を深めるとともに、NP経営の実践に向けた示唆を得ることを目的に、全5回シリーズで実施する。

第1回は「ファイナンス」をテーマに開催。地球環境戦略研究機関(IGES)の生物多様性分野の研究者が、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学・政策プラットフォーム(IPBES)(注1)報告書の概要や、統合的アプローチの重要性について説明した。

その後、日本生命保険および三井住友トラストグループが、それぞれの取り組み事例を紹介し、統合的アプローチを推進するうえでの実務上の工夫や課題、事業活動への落とし込み、国際社会への発信のあり方について意見交換した。

概要は次のとおり。

■ IGES

IGESからは、IPBES「ビジネスと生物多様性に関する評価報告書」の概要と、同報告書で示されたシナジーやネクサス評価(注2)の考え方について説明があった。

企業活動と自然との関係では、影響や依存の把握にとどまらず、意思決定や行動変容につなげることが重要だと指摘した。気候変動、食料、生物多様性、水、健康の相互関係を踏まえた統合的アプローチの必要性を示した。

評価のポイントとしては、(1)新規性(2)本業との関連性(3)地域連携(4)汎用性(5)ファイナンス(6)社会変革への貢献――を挙げた。

■ 日本生命保険

日本生命保険は、機関投資家の立場から、自然資本の毀損をシステムレベルのリスクと捉え、投融資を通じてNPに貢献する必要性を示した。

脱炭素分野では温室効果ガス(GHG)排出量という共通指標が取り組みを後押ししてきた一方、自然分野では企業間比較や投融資判断に活用できる共通指標や評価手法の整備が発展途上にあるとの認識を示した。そのうえで、NPP(注3)やHANPP(注4)を用い、企業やプロジェクトの自然への貢献を定量的に評価する考え方を紹介した。

レアメタルのリサイクルや森林再生を例に、企業の取り組みが自然への負荷低減や生態系の回復にどのように貢献しているか、それをどのように評価するかについても説明した。

■ 三井住友トラストG

三井住友トラストグループは、自然資本の保全・回復を企業価値向上につなげる金融機能の活用について説明した。

ネイチャー・インパクトファイナンスへの取り組みについては、三井住友信託銀行による顧客企業のサステナビリティ体制評価に加え、自然に対するインパクトや自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)開示などに基づく自然資本経営を専門評価会社と共に評価し、重要業績評価指標(KPI)の適切性、目標水準の妥当性、対応策の実効性などを確認する仕組みを紹介した。

ファイナンス実行後も年1回のモニタリングを行い、企業の取り組み状況を継続的に確認することで、顧客企業の自然資本への取り組みを支援する点が特徴だと説明した。

具体例としては、水産資源の持続可能な調達や容器回収率の向上など、事業活動と自然資本保全を結び付ける取り組みを紹介した。

(注1)生物多様性と生態系サービスに関する科学的知見を評価・整理し、各国政府の政策決定に科学的根拠を提供する政府間組織

(注2)気候変動、食料、生物多様性、水、健康といった複数の課題を個別に捉えるのではなく、それぞれの相互依存関係を分析する評価

(注3)植物が光合成を通じてつくり出す炭水化物であり、生物がその生存や成長に利用するエネルギー量

(注4)人間活動によって利用され、改変され、失われるNPPの量。自然が生み出すエネルギーのうち、人間が農業、林業、都市開発、土地利用変化などを通じてどれだけ占有しているかを示す指標

【教育・自然保護本部】

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