経団連は7月27日、東京・大手町の経団連会館で経済法規委員会競争法部会(大野顕司部会長)を開催した。公正取引委員会の大胡勝経済取引局長、深町正徳官房審議官(当時)から企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針(企業結合ガイドライン)の改定案について説明を聴き、意見交換した。説明の概要は次のとおり。
大胡氏(中央)
公取委は7月17日、企業結合ガイドラインの改定案に対する意見募集を開始した。
改定の背景として、わが国を取り巻く経済環境が変化するなか、イノベーションの促進や国際競争力の強化、供給の安定性の改善・維持、環境性能の向上等の重要性が高まっていることに加え、米国やEU等の国際的な動向を踏まえる必要があることが挙げられる。
改定の主なポイントは次の3点だ。
1点目に、企業結合審査において、供給の安定性の改善・維持や環境性能の向上、投資拡大・イノベーション促進による新商品の創出等を考慮することを明記する。
これらの実現による競争促進効果も考慮して、競争に与える影響を判断する。
2点目に、輸入圧力等について、長期間の市場の状況を考慮することを明記する。現行の運用指針では、将来の輸入圧力について、概ね2年以内を目安とする考えが示されている。
一方、改定案では、2年以内を目安としつつ、産業の特性等に応じて、将来見込まれる市場構造の変化に伴う輸入の増加等を踏まえて審査する。参入、隣接市場からの競争圧力、効率性等についても同様の考え方で判断する。
3点目に、最近の国内の企業結合事例や経済安全保障に関する事例集、EUや米国等の新たなガイドライン案の考え方を踏まえた追記を行う。
具体的には、関税がある場合でも輸入品が競争力を有する場合や、需要者の需要者から間接的に競争圧力が働く場合、購入市場に係る競争分析等について追記する。
意見交換では、改定案を評価する意見が多く出された一方、考慮要素の増加に伴う審査の長期化を懸念する意見も出された。
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経団連経済法規委員会競争法部会は8月31日、企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針改定案に対する意見を提出し、公表した。引き続き、公取委の動向を注視していく。
【経済基盤本部】
