堤氏
経団連は8月5日、東京・大手町の経団連会館で経済財政委員会(亀澤宏規委員長、舩曵真一郎委員長、永島英器委員長)を開催した。
7月21日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2026(「骨太方針2026」)について、内閣府の堤雅彦政策統括官(経済財政運営担当)から説明を聴くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。
■ 投資不足からの脱却
「骨太方針2026」の出発点となった問題意識は、長年にわたる国内の官民投資の不足だ。その結果、わが国の潜在成長率は他の先進国と比べて極めて低位にとどまってきた。
今回の方針では、こうした投資不足の流れを断ち切るため、経団連が掲げる「2040年度に民間企業設備投資を年250兆円規模へ拡大する」との目標を、新たな官民目標に位置付けた。
■ 責任ある積極財政
「骨太方針2026」では、「責任ある積極財政」を通じた「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」の実現を掲げている。
目指す経済社会の姿として、できるだけ早期に実質1%超、名目3%超の経済成長を定着させ、さらに引き上げることで、40年度の名目GDPは1100兆円に近づき、債務残高対GDP比も安定的に低下するとの方向性を示している。
こうした目標の実現には、後述する「日本成長戦略」と「地域未来戦略」に基づく戦略的な投資が重要となる。その実効性を担保するため、予算のあり方を抜本的に見直した点が、従来の骨太方針との大きな違いだ。
複数年度の計画を基本とし、通常歳出とは別に「強く豊かな日本」投資枠を創設する。歳出規模を名目経済規模の拡大にふさわしい水準とし、常態化している補正予算への依存からの脱却も図る。
財政運営の目標は、債務残高対GDP比の安定的な低下を中核に据えた。
プライマリーバランス(PB)を複数年度で改善・管理する指標としたことにより、財政目標の緩和を意図しているとの報道もある。しかし、今後増加する利払い費を含め、政府債務全体の動向を見ることになるため、むしろより厳しい目標といえる。
■ 二つの戦略の策定
「骨太方針2026」と同時に策定した「日本成長戦略」では、AI・半導体、コンテンツなどの17の戦略分野に加え、スタートアップ育成や労働市場改革といった八つの分野横断的な課題を設定した。
同時期に策定された「地域未来戦略」では、投資計画を大きく3類型に整理した。このうち「戦略産業クラスター計画」では、日本成長戦略で掲げた危機管理投資・成長投資について、地域ブロック単位で大胆な投資促進策とインフラ整備を一体的に講じることとした。
【経済政策本部】
