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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年10月1日 No.3745 台湾政治の対立構造と展望 -東亜経済人会議日本委員会

家永氏

経団連は9月3日、東京・大手町の経団連会館で東亜経済人会議日本委員会(飯島彰己委員長)を開催した。東京女子大学現代教養学部の家永真幸教授から台湾の政治情勢について、説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 頼政権と台湾政治

2024年5月に発足した民主進歩党(民進党)の頼清徳政権は、立法院で少数与党となり、厳しい政権運営を強いられている。

一方、最大野党の国民党も支持を十分に拡大できていない。こうしたなかで国民党は、立法院でキャスティングボートを握る第三勢力の民衆党と協力し、いわゆる「藍白連合」として法案の強行採決を進めてきた。

与野党対立は激しさを増し、台湾社会の分断も深まっている。

台湾政治の根本的な対立軸は、中国との距離をどう取るかという点にある。民進党は国防力強化や対米関係を重視し、台湾経済の対中依存の軽減を進めてきた。

これに対し、国民党は中国共産党との融和を重視する。国民党主席の鄭麗文氏は、親共産党的な姿勢を鮮明にしており、中国大陸との関係安定を求める民意を一定程度反映している。ただし、現在の極端な対中姿勢では、有権者の幅広い支持の獲得は難しい。

第三勢力の民衆党は、前党首・柯文哲氏個人の人気を背景に台頭した。しかし、同氏の汚職容疑での逮捕・起訴を受け、党勢は失速している。

争点は対中関係にとどまらない。頼政権のもと、25年5月に全ての原子力発電所が稼働を停止した。半導体産業を支える電力の安定供給は重要な課題であり、原子力発電所再稼働の是非は、野党側の主要な政権批判材料となっている。

26年11月28日には統一地方選挙が行われる。地方選挙では歴史的に国民党が比較的強い傾向にある一方、足元では与党・民進党と野党連合の支持が拮抗している。

選挙結果が28年の総統選挙に直結するとは限らないが、今後の台湾政治を占う重要な手がかりとなる。

■ 台湾社会の価値観

台湾政治を理解するには、有権者の間に強い台湾人意識と現状維持志向が共有されている点を踏まえる必要がある。民主化を成し遂げた経験から、民主主義社会としての自負も極めて強い。

台湾社会では、中国との距離感に加え、国際社会における台湾の存在感を政府が守れるかどうかも重視される。

国際舞台で「台湾」を名乗れない状況への不満は根強く、台湾社会は国際社会に対し、台湾への尊重を求めている。この姿勢は、社会内部の多様性尊重や自らの歴史を顧みる動きとも結び付く。

台湾は強国主導の国際政治に翻弄されながらも、自立、繁栄、安定を模索してきた。日台関係の健全な発展には、こうした台湾の複雑な歴史への理解が欠かせない。

【国際協力本部】

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