川西氏
山口氏
欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は7月23日、会計指令第40a条に従った特定のEU域外企業向け欧州サステナビリティ報告基準「ESRS-40a」の公開草案(以下、公開草案。コメント期限は10月31日)を公表した。
これを踏まえ経団連は8月31日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)の川西安喜委員長、山口奈美常勤委員を招き、東京・大手町の経団連会館で説明会を開催した。公開草案について説明を聴くとともに意見交換した。概要は次のとおり。
EUでは、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)などにより改正された会計指令により、一定の要件を満たすEU域内企業には改正ESRS(注)に基づく報告(域内報告)が要求されている。
一定の要件を満たすEU域外の第三国企業については、会計指令第40a条に基づく報告(以下、第三国報告)の制度を定めており、第三国報告におけるサステナビリティ報告基準としては、ESRS-40aが採択されることが想定されている。
公開草案でEFRAGは、主に次の四つの論点について意見を募集している。
■ 基準の内容と設定
公開草案は、EU域内企業に適用される改正ESRSを基礎として、リスク、機会、レジリエンス、依存関係の四つの要素を除外し、新たに混合アプローチ、第三国報告に関するCSRDの定めの取り込み(レベル1)を追加するアプローチで策定されている。
開示すべきインパクトの情報は、改正ESRSと同様に、インパクトマテリアリティの評価に基づいて決定することが求められる。
■ 開示の境界
報告されるインパクトの範囲は二つ設けられている。
公開草案に記載の全トピックをグローバルレベルで報告する「グローバル・アプローチ」と、気候関連のトピックのみをグローバルレベルで報告し、それ以外のトピックはEU関連のインパクトのみを報告する選択を認める「混合アプローチ」だ。
■ 参照と相互運用可能性
EFRAGは、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)基準などに基づく報告とESRS-40aに基づく報告には共通の内容があるとし、公開草案では一定の条件を満たす場合、相当部分について他の開示書類を参照して組み込むことができるとしている。
公開草案では、二重報告による負荷を回避するため、参照による組み込みとは別の方法として、改正ESRSやESRS-40aおよびISSB基準等の両方に同時に準拠した報告書の作成なども考えられる旨が説明されている。
■ 参照と実行可能性
改正ESRSと同じく、公開草案には欧州気候法や廃棄物枠組み指令といったEU法令への参照が含まれている。
EU域内の企業が域外での活動について報告を行う際にも同様の課題に直面することから、公開草案では、公正な競争条件を確保するために、改正ESRSから変更しないとしている。
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意見交換では、公開草案に基づく開示実務を想定した場合の実務上の課題について、多くの意見が出た。
特に開示負担に関しては、第三国報告が2028年から義務付けられる一方、ESRS-40aの確定が27年半ばと報告者の準備期間が非常に短い点や、EUが独自の開示基準を非EU企業に適用することにより、EU企業とEU域外企業との間で実務面での公平性が損なわれる点などについて意見が寄せられた。
(注)企業の報告負担軽減や開示内容の簡素化などを目的として見直されたもの。25年にEFRAGで改訂作業が行われ、26年7月に欧州委員会が改正ESRSを採択した
【経済基盤本部】
