経団連は9月1日、東京・大手町の経団連会館でクリエイティブエコノミー委員会(村松俊亮委員長、岡村信悟委員長)を開催した。
政府が7月に公表したコンテンツ分野における官民投資ロードマップを踏まえた今後の支援体制や関連施策について、内閣府の中原裕彦知的財産戦略推進事務局長、経済産業省の梶直弘商務・サービスグループ文化創造産業課長、文化庁の今泉柔剛次長から、それぞれ説明を聴き、意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。
■ 内閣府
中原氏
2033年までに日本発コンテンツの海外売上高20兆円を実現するため、関係省庁が連携し、官民投資ロードマップに基づく施策を推進している。
令和9年度予算概算要求では、コンテンツ産業の官民投資ロードマップの早期実現に向けて、総額約2500億円を要求した。日本のコンテンツが海外で正当に評価され、その成果がクリエイターや事業者に還元される環境を整備していきたい。
内閣府は、官民の英知を結集し、一元的かつ一気通貫の新たなコンテンツ支援体制を構築すべく、検討を進める。
官民のプロを集めた組織も構築したい。人や財政的な観点から力添えいただきたい。
生成AIについては、「生成AIの適切な利活用等に向けた知的財産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード」を8月に公表した。秋ごろからの運用を予定している。
■ 経産省
梶氏
8月にコンテンツ各分野の企業の協力のもと「エンタメ・クリエイティブ産業戦略2026」を取りまとめた。今後も官民で議論しながら実行していきたい。
コンテンツ産業成長投資支援事業(IP360)では、「創る」「流す」「叩く」の3本柱で施策を展開している。
「創る」では世界で競える大型作品の制作支援、「流す」では流通・配信プラットフォームの強化、「叩く」では海賊版対策を進める。クリエイター、制作会社、製作委員会の幹事会社等が一体となって海外展開を進められるよう支援していきたい。
IP360第1回公募は、応募倍率が全体で約10倍となり、旺盛な投資需要が確認された。令和9年度予算概算要求では大幅な予算拡充を求めており、財政支援と構造改革を一体的に進める。
■ 文化庁
今泉氏
文化庁は、コンテンツ政策において主に人材育成を担っている。「つくる」「届ける」「残す・活かす」「育てる」というコンテンツのエコサイクルを回し、クリエイターやグローバルビジネス人材が挑戦を通じて成長できる環境を整備したい。
令和9年度予算概算要求では、クリエイター等の育成支援を大幅に拡充する。作品の企画、製作、海外発信、国内還元までを一体的に支援し、マンガ、アニメ、ゲーム、音楽、実写など幅広い分野で世界に挑戦する人材を育成したい。統括団体や文化施設などの人材育成を支える基盤の強化にも取り組む。
海賊版対策では、AIを活用した検知システムの開発や国際連携を進める。
マンガ、アニメ、ゲーム等の資料を収集・保存し、活用するため、全国の産学官の関係機関とのネットワークの拠点となる「メディア芸術ナショナルセンター(仮称)」の整備を推進している。今後も創作を支える基盤を強化していきたい。
【産業政策本部】
