高橋氏
経団連は9月10日、東京・大手町の経団連会館でアフリカ地域委員会(小川啓之委員長、貸谷伊知郎委員長)を開催した。外務省の高橋美佐子アフリカ部長から、最近のアフリカ情勢と日本政府の取り組みについて、説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。
■ アフリカ外交の3本柱
アフリカは国数や人口規模の観点から大きな潜在力を持つ。その潜在力をいかに具体的なビジネス機会に結び付けるかが、日本とアフリカの双方にとって重要な課題だ。
茂木敏充外務大臣は4月29日~5月6日、ザンビア、アンゴラ、ケニア、南アフリカの4カ国を訪問した。
2016年に故安倍晋三元内閣総理大臣がケニアで、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を提唱してから10年の節目を迎えるなか、茂木大臣は同地でFOIPの進化に関する政策スピーチを行い、日本の対アフリカ外交の3本柱を打ち出した。
第1の柱は「平和大陸アフリカの実現」だ。アフリカ各地の国連平和維持活動(PKO)訓練センターへの支援などを通じ、アフリカの平和と安定に積極的に関与している。
第2の柱は「アフリカと日本の成長の好循環」だ。
日アフリカ間の貿易・投資の促進を目的とする官民合同ミッションの派遣、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)を支援するための産学官検討委員会の設置、インドや中東諸国などと協働してアフリカの域内統合や産業発展への貢献を目指す「インド洋・アフリカ経済圏イニシアティブ」などが含まれる。
アフリカ域内の連結性向上に向け、「ナカラ回廊」「東アフリカ北部回廊」「西アフリカ成長の環」など、重点地域の開発支援にも取り組んでいる。
第3の柱は「次世代の共創による誰もが豊かさを実感できる社会の実現」だ。
アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)、日本・アフリカ若者交流事業、アニメ・クリエイティブ産業における産業共創実務者招聘などを通じ、若者の育成や人材交流を推進している。
■ TICADを踏まえて
これらの3本柱に加え、アフリカに関する極めて重要な枠組みとして、アフリカ開発会議(TICAD)がある。1993年の創設以来、「アフリカのオーナーシップ」と「国際社会のパートナーシップ」を基本原則に掲げ、アフリカ主導の開発に貢献してきた。
2025年には横浜市で、「革新的な課題解決の共創」をテーマにTICAD9が開催された。本会合に加え、多数の会談やビジネスエキスポをはじめとする各種サイドイベントも実施された。
次回のTICAD10は、28年にアフリカで開催される予定だ。
数多くの国々から成るアフリカを、ひとくくりに捉えるべきではない。各国の政治体制、経済発展の段階、社会構造、価値観などを尊重し、それぞれの国と真摯に向き合うことが重要だ。日アフリカ関係のさらなる発展に向け、今後も官民が連携して取り組んでいきたい。
【国際協力本部】
