経団連は9月9日、東京・大手町の経団連会館で労働法規委員会労務管理政策部会(五嶋希部会長)と同委員会労務管理問題検討ワーキンググループ(安田行伸座長)の合同会合を開催した。
共同印刷人事部人事企画課の臼井さや香課長、東日本旅客鉄道人財戦略部人財育成ユニットの奥村継一マネージャーが社員の仕事と育児の両立支援の事例をそれぞれ紹介した。概要は次のとおり。
■ 共同印刷
臼井氏
共同印刷は、社会環境の変化や社員の悩みに向き合い、切れ目のない両立支援を目指して制度を整備している。特徴的な取り組みは、対象社員・上司・人事の3者面談、育休中のキャリア形成支援、社員主催の座談会などの対話を重視した支援だ。
こうしたなか、従来の支援制度が子の幼少期に集中していたことや、社内調査で不妊治療や子の不登校に悩む社員の実態が明らかになったことを踏まえ、2023年1月に「ライフサポート制度」を導入した。
この制度は、不妊治療中の社員と18歳未満の不登校の子を養育する社員が、最長2年間の休業または最長3年間の短時間勤務を利用できる。
制度を設計するに当たっては、制度を就労継続が困難な社員を支える「セーフティーネット」と位置付けるとともに、他の社員との公平性にも配慮し、ノーワーク・ノーペイの原則を明確にした。
制度の利用者や他の社員からは、制度の利用により子をケアする時間を確保できたとの声や、制度があったことで子育てについての将来への不安が軽減され、必要以上にキャリアを抑制せずに済んだとの意見が寄せられた。
■ 東日本旅客鉄道
奥村氏
東日本旅客鉄道は、健康経営とDEI(Diversity, Equity, Inclusion)を人財戦略の土台に位置付け、社員一人ひとりが活躍できる環境づくりを進めている。
仕事と育児の両立に関しては、法定を上回る各種制度や福利厚生を整備することにより、社員の就業継続を支援している。具体的には、育児支援休暇を子が小学校を卒業するまで利用できるほか、短時間勤務制度を見直し、1日単位で短時間勤務とフルタイム勤務を選択できる仕組みとした。
難病や障がいのある子を養育する社員への支援にも力を入れている。制度面では、子の年齢にかかわらず短時間勤務や養育支援休暇を利用できるよう対象を拡大した。
当事者である社員が悩みや経験を共有するネットワーク会を継続的に開催し、実施日時や場所を非公開とするなど、プライバシーに配慮しながら情報交換できる場を設けている。
参加者からは「同じ悩みを話すことで気持ちが軽くなった」「同じ境遇で働く社員に勇気づけられた」といった声が寄せられている。
当社では、こうした取り組みを社内報や社内イントラネットなどで発信することにより、上司や同僚の理解を促し、社員の心理的負担の軽減につなげている。
【労働法制本部】
