近年、ネイチャーポジティブ(NP)、カーボンニュートラル(CN)、サーキュラーエコノミー(CE)を統合的に進めることの重要性が国際的に認識されている。経団連も2040年に目指すべき社会として、グリーントランスフォーメーション(GX)、CE、NPが一体的に進展する姿を提示している。
日本企業がかねて、これらの相乗効果を生み出す取り組みを進めてきたことを踏まえ、25年11月、「生物多様性・自然資本保全と持続的な経済成長の両立に向けた提言」の付属資料として、78件の企業事例を収録した事例集の初版を公表した。
今般、企業によるNP、CN、CEへの統合的な取り組みをより分かりやすく示し、国内外への発信を一層強化するため、同事例集を改訂し、26年10月13日に公表した。
今回の改訂では、自然資本保全への取り組みに軸足を置き、CNやCEとの相乗効果をより把握しやすい構成に見直した。
経団連自然保護協議会の会員企業53社から寄せられた88件の事例を掲載している。このうちNPとCNを組み合わせた事例は41件、さらにCEを加えた3領域の統合事例は39件ある。
掲載事例は、森林・里山や海洋・沿岸域の保全・再生、自然共生サイトでの取り組みに加え、デジタル技術やネイチャーテックの活用、資源循環、ファイナンスなど多岐にわたる。企業が自社の事業や地域の特性を生かしながら、複数の環境課題に取り組む実践例を幅広く紹介している。
読者が関心のある取り組みを探しやすいよう、検索索引の充実にも注力した。環境課題の組み合わせに加え、場所や手段、得られる効果などから事例を検索できる。今後のNPの取り組みを進めるうえで、本事例集を活用いただきたい(図表参照)。
経団連は経団連自然保護協議会と連携し、10月にアルメニア・エレバンで開催される生物多様性条約第17回締約国会議(CBD・COP17)において、本事例集も用いて、日本企業による先進的なNPへの取り組みを国際社会に発信することとしている。
27年3月に開会する2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)は「地球課題解決の体験・実践を通じた意識・行動変容の場」を掲げている。本事例集の国内外への発信を通じて、GREEN×EXPO 2027の機運醸成に貢献していきたい。
【教育・自然保護本部】
