内藤氏
経団連は10月7日、都内で外国人政策委員会(深澤祐二委員長、大島卓委員長)を開催した。出入国在留管理庁の内藤惣一郎次長から、出入国在留管理行政の現状と課題について説明を聴き、意見交換した。説明の概要は次のとおり。
■ 外国人受け入れの現況
人口減少・少子高齢化に伴って人手不足が深刻化している。外国人の受け入れによる労働力の確保が課題となる一方、国際的な人材獲得競争は一層激化している。
2025年末の在留外国人数は約413万人と過去最高を更新し、10年前の約1.8倍となった。在留資格別では、永住者が最も多く、全体の約4分の1を占める。
技能実習や特定技能のほか、いわゆる大卒ホワイトカラーを対象とする在留資格「技術・人文知識・国際業務」で在留する外国人も大きく増加している。
他方で近年は、一部の外国人による法やルールを逸脱した行為や、制度の不適正な利用が指摘されている。こうした行為には厳正に対応する必要がある。
■ 外国人政策を巡る動向
こうした状況を踏まえ、政府は26年1月、「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を公表した。
既存のルールの遵守や各種制度の適正化を図るとともに、外国人が日本社会に円滑に適応するための施策を講じている。制度の適正化を進めつつ、受け入れるべき外国人材はしっかりと受け入れることが基本だ。
26年7月には、外国人の入国・在留に関する施策の基本となる「第2次出入国在留管理基本計画」を新たに策定した。
これらの方針を踏まえ、入管DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める。その一環として、査証免除国からの短期滞在者などを対象に、渡航前にスクリーニングを行う電子渡航認証制度(JESTA)を28年度中に導入する。
的確な実態把握・分析による在留管理の適正化、永住許可制度の適正化、27年に運用を開始する育成就労制度の準備、在留許可手数料の引き上げなども進めている。
■ 今後の検討課題
総合的対応策や新たな基本計画などを踏まえた今後の検討課題は大きく二つある。
一つは、外国人の受け入れの基本的なあり方について、26年度中に基本方針を取りまとめることだ。総合的対応策に基づき、外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣のもと、省庁横断的に具体的な調査・検討や将来推計などを行い、政府全体で検討を進める。
もう一つは「日本語・生活学習プログラム(仮称)」の創設だ。外国人が日本社会の一員として責任ある行動を取れるよう、日本語やわが国の制度・ルールなどを学ぶ機会を設けるもので、28年度中の試行開始を目指している。
これら二つの課題については、26年7月にそれぞれワーキンググループを設置し、検討を進めている。
引き続き、経済界や企業、関係機関、外国人らの多様な意見に耳を傾け、時代の変化を的確に捉えながら、適切な外国人政策を推進していく。
【産業政策本部】
