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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年11月5日 No.3750 EUの政策動向 -経産省から聴く/ヨーロッパ地域委員会企画部会

佐藤氏

経団連は9月30日、東京・大手町の経団連会館でヨーロッパ地域委員会企画部会(齋藤洋二部会長)を開催した。経済産業省の佐藤孝一欧州課長、森川純国際経済紛争対策室長から、EU政策の最新動向と今後の日欧関係について、説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

EUでは、景気減速が長期化するなか、中国との貿易赤字が拡大している。フォンデアライエン欧州委員長も、2025年の赤字額が3600億ユーロ(67兆円)に達したと指摘した。

EUは24年10月に中国製のバッテリー式電気自動車(BEV)に追加関税を課したものの、その後もプラグイン・ハイブリッド電気自動車(PHV)の輸出が増えている。

こうした状況を背景に欧州委員会は26年3月、域内産業基盤の強化を目的とする産業加速化法(IAA)を提案した。同法は、EUのGDPに占める製造業比率を、現在の14%から、35年までに20%に引き上げることを目指している。

エネルギー集約産業、ネットゼロ技術、自動車を対象に、公共調達や公的支援の要件として「低炭素」や「EU原産」を導入しようとしている。

「EU原産」に関しては、自由貿易協定(FTA)締結国の産品をEU原産と同等に取り扱う規定も盛り込まれた。しかし、電気自動車(EV)の社用車導入支援や小型EVの優遇措置には同様の配慮規定がないため、日本製のEVは対象外となる。

EVが公的支援を受けるためには、EU域内での組み立てが要件とされ、日本で生産した完成車が対象外となる恐れがある。(各国でEVに対する政府の支援が行われているため)日本製のEVが税制優遇措置や補助措置の対象から外れれば、販売への影響は大きい。

日本がEUにとって信頼できるパートナーであることを具体的に示すとともに、これらの措置がパートナーとの分断につながると指摘し、日本企業が不利益を受けない制度とすることが重要だ。

IAAは現在、欧州議会とEU理事会で審議中だ。EU域内産業の保護を重視する国がある一方で、日本などへの開放性を重視する国もある。欧州議会やEU理事会がそれぞれの立場を固めた後、欧州委員会を含む3者協議に入る見通しであり、今後半年が重要な局面となる。

EU域内の産業を保護する動きは、鉄鋼でもみられる。EUは18年からセーフガード措置を実施しており、その間に日本からEUへの鉄鋼輸出量は1500億円減少した。

しかしEUはセーフガード措置終了後、新たな関税割り当て措置を導入し、無税枠を約3000万トンから約1800万トンへ縮小するとともに、枠外関税を25%から50%へ引き上げた。この措置は日本を含むFTA締結国も対象としている。

日本からEUに輸出する鉄鋼は、域内で代替が困難な高品質材も多く、風力発電や地熱発電などで使用されている。鉄鋼分野で導入された措置が、今後、化学品や産業機械などの他産業に波及する可能性も注視する必要がある。日本政府は必要な輸入枠の確保に向け、EU側への働きかけを続ける。

【国際経済本部】

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