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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年9月14日 No.3330 東方経済フォーラムに朝田日本ロシア経済委員長が参加

日露ラウンドテーブルで
スピーチする朝田委員長

昨年5月の日露首脳会談で安倍首相からプーチン大統領に8項目からなる「協力プラン」(注1) が提示され、12月のプーチン大統領訪日以降、日露間で合計約100件の合意文書(民間)が結ばれるなど、経済分野における二国間協力の促進に向けた機運が高まっている。

こうしたなか、経団連の朝田照男日本ロシア経済委員長は9月6日から7日にかけてウラジオストクで開催された「東方経済フォーラム」に参加し、日露ラウンドテーブルで経団連を代表してスピーチを行った。

東方経済フォーラムは、ロシア極東開発を国家戦略の最重要課題の1つと位置づけるプーチン大統領の肝煎りで一昨年始まり、今年が3回目。イーゴリ・シュヴァロフ第一副首相やマクシム・オレシュキン経済発展大臣、世耕弘成経済産業大臣はじめ日露関係者約350名が参加したラウンドテーブルでの朝田委員長のスピーチの概要は次のとおり。

■ ロシア政府の極東政策に対する評価等

「8項目」の重要な柱をなす極東開発の成否は、日露経済関係全体の行方を左右する試金石である。

経団連では、先進的社会経済発展区域(TOR)の設置やウラジオストク自由港制度の導入等、ロシア政府の積極的な取り組みを高く評価しており、今年7月上旬に極東発展省傘下の極東開発公社の幹部など関係者が来日した際には、ロシア極東特区に関するセミナーを開催(注2)するなど、TORや自由港に関する日本企業への周知を積極的に促進している。

■ ロシア政府への要望

こうしたなか、ロシア政府には、極東地域に対する日本企業からの投資に見合ったリターンが担保されるような各種施策の推進に加え、特にインフラの整備・運営について、民間への開放を思い切って推進してほしい。経団連では、極東をゲートウエーとした日露ビジネスの拡大・深化を最優先課題として、日露経済関係の緊密化に取り組んでいるが、極東ビジネスで大きなボトルネックとなっているのがインフラである。

最新の経団連アンケート(注3)でも、「有望と思われる事業分野」に関して、インフラは資源・エネルギーに次いで第2位と、多くの日本企業が大きな期待を寄せている。道路や空港、港湾、上下水道、発電所など、ロシア側においてもインフラ整備が喫緊の課題とされているなか、運営を民間に譲渡する「コンセッション方式」など、PPP(官民連携)の仕組みを導入し、公的事業に民間が参入すれば、インフラの補修や維持、管理の効率化に加え、サービスの向上が期待できるほか、公的負担を軽減できるメリットもある。

わが国企業は、海外で、例えば水道事業や公共交通事業等にコンセッション方式を通じて参画し、多様なノウハウや実績を蓄積している。これらの知見を極東のインフラ整備に活用することで、ビジネスの発展に寄与できよう。

(注1)(1)健康寿命の伸長 (2)快適・清潔で住みやすく活動しやすい都市づくり (3)中小企業交流・協力の抜本的拡大 (4)エネルギー (5)ロシアの産業多様化・生産性向上 (6)極東の産業振興・輸出基地化 (7)先端技術協力 (8)人的交流の抜本的拡大

(注2)http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2017/0720_05.html

(注3)ロシアのビジネス環境等に関するアンケート
http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/064.html

【国際経済本部】

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