経団連は10月17日、東京・大手町の経団連会館で韓国経済人協会(韓経協)と第32回経団連・韓経協首脳懇談会を開催した。経団連からは筒井義信会長をはじめ11人、韓経協からは柳津会長をはじめ14人が出席した。「新たな時代における日韓連携・協力の推進」を統一テーマに掲げ、各セッションに分かれて議論した。概要は次のとおり。
■ 開会あいさつ
筒井会長は、国交正常化60周年を迎えた2025年を両国の連携・協力の機運を盛り上げる契機にしていきたいと発言。
世界貿易機関(WTO)改革の必要性や、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への韓国の加入申請への期待などを挙げたうえで、ルールに基づく自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化に向けた両国の連携の重要性を強調した。
日韓米3カ国による連携・協力推進への期待も表明した。
韓経協の柳会長は、貿易投資、技術協力、人材交流など広範な分野における日韓経済協力を基盤に、今後、未来の協力関係を構築する「日韓経済協力2.0」時代を切り開いていくことの重要性を強調した。
サプライチェーンの安定化や先端産業分野での連携などを通じて両国が成長と繁栄を築いていく必要性を指摘した。
■ 各セッションの議論
第1セッションでは、両国の経済情勢と見通しについて説明があった。
第2セッションでは、経済関係深化に向けた連携を議論。対立と分断などの課題に国際社会が直面するなか、基本的な価値観を共有する日米韓の一層の連携推進の重要性が指摘された。韓国のCPTPP加入の意義や参加国への裨益が共有された。
第3セッションでは、共通する社会課題への対応を議論。少子高齢化に関する互いの知見を共有し、課題解決に取り組むことの重要性が指摘された。水素の利活用に向け、共同実証プロジェクトの推進やインフラ投資の効率化に向けた投資が提案された。
第4セッションでは、新たな日韓協力をテーマに議論。日韓の企業による第三国展開の取り組みや両国のスタートアップ連携の促進の重要性が共有された。
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各セッションでの議論を通じ、経団連と韓経協は、引き続き両国経済関係のさらなる発展のため連携を深めることを確認し、共同声明をまとめた。
次回の首脳懇談会は、26年にソウルで開催する予定である。
【国際協力本部】
