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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2025年11月13日 No.3705 IASBとの懇談会を開催 -金融・資本市場委員会企業会計部会

バーコウ氏(中央)、鈴木氏(左)、佐々木部会長(右)

経団連は10月9日、東京・大手町の経団連会館で、金融・資本市場委員会企業会計部会(佐々木啓吾部会長)を開催した。国際会計基準審議会(IASB)のアンドレアス・バーコウ議長、鈴木理加理事から、IASBの最新動向について説明を聴くとともに意見交換した。概要は次のとおり。

現在リサーチフェーズにある「無形資産」プロジェクトは、企業が財務諸表において無形項目に関して提供する情報の有用性を改善すること、IAS第38号「無形資産」を更新することを目的としている。的を絞った方法での包括的な見直しを開始しており、追加的な証拠を評価・検討する機会を定期的に設けることとしている。

基準設定フェーズにある「持分法」プロジェクト、「企業結合―開示、のれん及び減損」プロジェクトについては、公開草案の公表を経て、現在、方向性の検討を行っている。

このうち「持分法」プロジェクトは、適用上の疑問点に回答することによる実務における多様性の軽減、およびIAS第28号「関連会社及び共同支配事業に対する投資」における要求事項の整理による分かりやすさの改善を目的としており、持分法の特性(“一行連結”か“測定技法”か)を明確化することは目的としていない。

IASBは公開草案等を通じて、日本の経済界から寄せられた懸念やコメントについても真摯に検討し、分析している。本プロジェクトの方向性をより適切に判断するために、日本企業の実務対応方法等について追加情報が必要である。近日中に関連するアウトリーチを開催する予定である。

「企業結合―開示、のれん及び減損」プロジェクトは、企業が取得に関して提供する情報を合理的なコストで改善することを目的としている。IFRS(国際財務報告基準)第3号「企業結合」における開示要求事項を改善するパッケージのほか、IAS第36号「資産の減損」における、のれんを含む資金生成単位の減損テストに対する的を絞った変更等を提案した。今後も各関係者と丁寧な議論を継続し、検討を進めていく。

◇◇◇

意見交換では、「無形資産」プロジェクトにおけるインハウスでの研究開発活動の取り扱い、米国の政策動向がIFRS財団の今後の方向性に与える影響、「持分法」プロジェクトにおける課題――などを議論した。

サステナビリティ情報をISSB(国際サステナビリティ基準審議会)基準に準拠して作成した旨を明示する可能性についての意見も出た。

【経済基盤本部】

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