豊かな未来を次世代へ
2024年、出生数が初めて70万人を割った。将来推計より14年も早い70万人割れだ。われわれの想像を超える速さで進行する「少子高齢化」という日本の構造的な問題は、様々なひずみを生んでいる。中でも、日本の財政は、世界で類を見ないほど深刻な状態で、財政の健全化は避けては通れない大きな課題と言えよう。
2024年、出生数が初めて70万人を割った。将来推計より14年も早い70万人割れだ。われわれの想像を超える速さで進行する「少子高齢化」という日本の構造的な問題は、様々なひずみを生んでいる。中でも、日本の財政は、世界で類を見ないほど深刻な状態で、財政の健全化は避けては通れない大きな課題と言えよう。
経団連は7月24、25の両日、軽井沢で、「夏季フォーラム2025」(議長=小路明善副会長)を開催した。筒井義信会長、冨田哲郎審議員会議長をはじめ、副会長、審議員会副議長ら計43人が参加したほか、有識者を講師に迎え、「人口減少下でも輝く日本経済・社会の未来図」を統一テーマに活発に議論した。
フォーラム終盤の特別セッションには石破茂内閣総理大臣が登壇し、対米投資促進等を通じた今後の新しい日米関係実現への期待を表明した。経済安全保障・外交、付加価値創出型経済への移行、地方創生、税・財政・社会保障の一体改革等の重要政策の推進にも強い意欲を示した。2日間にわたる討議の成果は「持続的な価値創造が導く日本経済・社会の未来図─経団連夏季フォーラム2025総括」として採択され、筒井会長、小路議長が石破首相に手交した。
【特別講演】
「明日はもっと良くなる」と実感できる社会の実現に向けて
石破 茂(内閣総理大臣)
【講演】
人口減少下での日本経済の持続的成長への道筋
熊谷 亮丸(大和総研副社長兼副理事長)
【講演】
AI技術革新の最前線
デイビッド・ハ(Sakana AI共同創業者CEO)
伊藤 錬(Sakana AI共同創業者COO)
【講演】
「アメリカの世紀」から「アメリカ・ファーストの世紀」へ
―その地政学的かつ地経学的輪郭は何か
船橋 洋一(国際文化会館グローバル・カウンシルチェアマン、
アジア・パシフィック・イニシアティブ創設者)
【総括文書】
夏季フォーラム2025総括
持続的な価値創造が導く日本経済・社会の未来図
https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/049.html
世界が対立と分断の色を濃くする中においても、アジアは成長センターとして世界経済を牽引してきており、持続的な成長を実現すべく、さらなる連携・協力が求められている。経団連はこれまでアジア・ビジネス・サミット(ABS)の開催などを通じて、各エコノミーの民間経済団体との交流を推進してきた。
本特集では、ABSの活動報告のほか、アジア開発銀行(ADB)やアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)の動向、日本のインド太平洋戦略にかかわる考察などを紹介する。
第14回アジア・ビジネス・サミット
―12の経済団体がアジアの連携・協力の方策について議論
【特別寄稿】
民間資金を動員する
―アジア・太平洋地域の持続可能な成長に向けたアジア開発銀行(ADB)の役割
https://www.keidanren.or.jp/en/journal/2025/09_Dasgupta.html
バルガヴ・ダスグプタ(アジア開発銀行副総裁(マーケット・ソリューション担当))
AZECの推進に向けて
齋藤 健(衆議院議員、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)議員連盟会長)
二国間主義を超えて
―日本のインド太平洋戦略
片田 さおり(南カリフォルニア大学国際関係学部教授)
【提言】
わが国の防衛装備移転のあり方に関する提言
https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/047.html
泉澤 清次(経団連副会長、防衛産業委員長/三菱重工業会長)
【報告】
変化する国際情勢下での日墨経済関係の再強化に向けて
―第34回日本メキシコ経済協議会を開催
https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/038.html
芝田 浩二(経団連日本メキシコ経済委員長/ANAホールディングス社長)
倉石 誠司(経団連日本メキシコ経済委員長/本田技研工業特別顧問)
スタートアップ連携のベストプラクティスを探る②
スタートアップと共に進化し、新たな世界を創造する
内田 多(TOPPAN ホールディングス事業開発本部戦略投資部 CVC・国内投資チーム)
大野 淳史(TOPPAN ホールディングス事業開発本部戦略投資部 CVC・投資管理チーム)
あの時、あの言葉
想像できないことは、対応できない
野本 弘文(経団連観光委員長/東急会長)