2024年を「30年来のデフレ」からの完全脱却の年に
日本経済は、企業の強い設備投資マインド、継続的な賃金引上げのモメンタム、コロナ禍からの回復による消費の拡大などに支えられ、長きにわたる低迷から脱する明るい上向きの力が生じている。
2024年1月号日本経済は、企業の強い設備投資マインド、継続的な賃金引上げのモメンタム、コロナ禍からの回復による消費の拡大などに支えられ、長きにわたる低迷から脱する明るい上向きの力が生じている。
日本経済は大きな岐路に直面している。長年続いたデフレからの脱却という千載一遇のチャンスを迎え、デジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)等に関する国内での設備投資意欲も高く、これまでのコストカット型経済から持続的な成長を実現する機会が到来している。
 他方で、地政学リスクの高まりや海外経済の減速懸念のほか、少子高齢化・人口減少をはじめとする構造的な課題も山積している。多くの課題を乗り越え、成長と分配の好循環を達成するためには、適切なマクロ経済運営と成長戦略の実行が求められる。
財政・金融政策協調をめぐる国際的な議論と課題
  白井 さゆり(慶應義塾大学総合政策学部教授)
成長と分配の好循環に向けて
  宮本 弘曉(東京都立大学経済経営学部教授)
新しい資本主義の全体像
 ─持続的な賃金上昇には、労働市場改革による生産性向上が不可欠
  翁 百合(日本総合研究所理事長)
社会保障制度のアップグレードが潜在成長率を改善させる
  河野 龍太郎(BNPパリバ証券チーフエコノミスト)
多様な資本を軸とした生産性向上を
  宮川 努(学習院大学経済学部教授)
支え手を増やす社会保障
  清家 篤(日本赤十字社社長/慶應義塾大学名誉教授)
【報告】
 複雑化する国際情勢における日EU協力の可能性を模索
 ─訪欧ミッション
  十倉 雅和(経団連会長)
【提言】
 二国間クレジット制度(JCM)の一層の活用に向けて
パートナー国・地域の拡大と公的支援の改善・拡充を求める
 https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/070.html
  安永 竜夫(経団連副会長、開発協力推進委員長/三井物産会長)
【報告】
 日本・香港間の経済関係の強化と多様化に向けて
 ─第41回日本・香港経済合同委員会を開催
  國部 毅(経団連日本・香港経済委員長/三井住友フィナンシャルグループ会長)
  池田 潤一郎(経団連日本・香港経済委員長/商船三井会長)
【報告】
 外国人の活躍を推進する先進的取り組みに触れて
 ─北海道紋別市/東川町視察
  毛呂 准子(経団連産業競争力強化委員会外国人政策部会長/商船三井取締役)
経営者のひととき
 茶道と私
 大林 剛郎(経団連外交委員長/大林組会長)
Essay「時の調べ」
 居場所のなさを旅しよう
 磯前 順一(国際日本文化研究センター教授)