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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年3月25日 No.3493 「循環経済パートナーシップ」参加説明会を開催

経団連は2月26日、東京・大手町の経団連会館で「循環経済パートナーシップ」の参加説明会を環境省との共催により開催した。土居健太郎環境省大臣官房審議官によるあいさつの後、21世紀政策研究所(21研、飯島彰己所長)の梅田靖研究主幹(東京大学大学院工学系研究科教授)、地球環境戦略研究機関(IGES)の粟生木千佳主任研究員から循環経済に取り組む意義や国際動向等を聴くとともに、経済産業省、環境省が資源循環政策の動向等について説明した。

■ 循環経済に取り組む意義(梅田氏)

21研は、2018年から循環経済(サーキュラーエコノミー、CE)を研究してきた。EUのCE政策は従来型の環境政策と異なり、環境問題の枠内にとどまらず、経済の仕組み自体を変えようとする成長戦略である。欧州企業がCEに取り組む理由は、欧州域内にとどまらず、法制化以前から準備することにより先手を打って競争力優位を得ることにある。日本企業は、業種を超えた仲間づくりやリサイクルの質といった現場力に強みを活かし、循環経済への国際動向を的確にとらえて対応することが重要である。

■ 欧州等国際的な循環経済施策の動向(粟生木氏)

EUでは、グリーン・ディールや新CE行動計画など、気候中立と循環経済の同時達成を目指す政策が進展しており、欧州各国もさまざまな戦略が打ち出されている。また、中国においても、17年に14省庁が共同で発表した循環発展引領行動の取り組みが行われている。政府・民間による循環経済に向けた取り組みは国際的な潮流になりつつあり、日本としても対応していく必要がある。

■ 循環経済関連施策について

● 経済産業省

循環経済への転換は、将来の経済社会活動・事業活動のあり方が問われている課題である。今から対応していかなければ将来の競争力を毀損しかねない。EUでは、使い捨てプラスチック製品の使用禁止やエコデザイン指令など規制的な手法を積極的に活用している。日本もすでに世界でもトップランナーの3R大国である。ただし、線形経済モデルの限界は世界経済全体にとっての課題であり、日本としても環境政策としての3Rにとどまっていては今後の流れに取り残されてしまう。経産省が昨年5月に取りまとめた「循環経済ビジョン2020」はそうしたメッセージを打ち出している。経産省の基本スタンスは、個別の分野での規制を課すのではなく、循環経済を事業戦略・経営戦略に位置付けてもらい、その取り組みを後押しする施策を打ち出すことである。同パートナーシップへの積極的な参加を期待したい。

● 環境省

今年1月の環境省と経団連の懇談会において合意した、官民連携による「循環経済パートナーシップ」は(1月28日号既報)、国内の企業を含めた幅広い関係者における循環経済へのさらなる理解醸成と取り組み促進を図るとともに、国際社会における日本のプレゼンス向上を図るために立ち上げるものである。まずは日本の先進的な取り組み事例について収集し、事例集をつくる。優良事例は、今夏予定されている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)等の国際会議で発信する。このほかにも、循環経済促進に向けた情報共有・対話のための場の設定などを考えている。経団連の会員企業・団体各位には、同パートナーシップへの参加および事例収集への協力を検討してほしい。

【環境エネルギー本部】

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