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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年7月6日 No.3597 企業とNPO等との連携・基盤強化の事例 -企業行動・SDGs委員会 経団連1%クラブ

経団連1%(ワンパーセント)クラブ(福田里香座長)は6月9日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、休眠預金活用事業の概況、企業とNPO等との連携事例について担当者から説明を聴くとともに意見交換した。概要は次のとおり。

■ 休眠預金活用制度と企業連携
(鈴木均JANPIAシニア・プロジェクト・コーディネーター)

日本民間公益活動連携機構(JANPIA)は社会課題の解決に取り組む団体に対して、休眠預金を原資とする資金提供と伴走支援を行っている。伴走支援の一つに企業との連携支援がある。われわれが行った調査によれば、多くの団体が企業連携に強い関心を持っており、企業の本業を活かした連携やコレクティブインパクトの創出を目指す社会貢献プログラム等、幅広い連携を希望している。具体的には、子ども食堂へのフードドライブに社員のボランティア、資金や流通での支援を組み合わせるなど、企業の持つ経営資源(ヒト、モノ、カネ、施設、知見等)を複数組み合わせることにより、包括的な連携プログラムを共創していくことへの期待が高い。

休眠預金を活用する団体は、ガバナンスやコンプライアンス体制の整備および社会的インパクト評価の実施を求められている。企業にとって、連携先として信頼できる相手である。

これらの団体との連携を通じて、企業も、ボランティア・プロボノ支援を人的資本経営の強化につなげるほか、専門性や現場力をもつNPO等からの学びを新事業共創のチャンスとするなど、多くのメリットを享受することができる。連携に関心がある企業の皆さまは、気軽にJANPIAへ問い合わせてほしい。

■ 連携事例(1)=NPO法人との包括連携
(三井住友海上火災保険×アレッセ高岡等)

三井住友海上火災保険では「部支店で年に一つは社会貢献活動」を行うことを推進している。アレッセ高岡は、富山で外国にルーツをもつ青少年を支援しているが、団体運営に必要な資料の迅速な作成や事務作業スキルの向上に悩みを抱えていた。

そこで、三井住友海上火災保険の社員がオンラインツールを用いて、議事録作成、経理処理、運営事務等について助言を行った。

◇◇◇

アレッセ高岡の青木由香理事長は支援を振り返り、「プロボノ支援がなかったら事業を前に進められなかった」と感謝のコメントを寄せた。

■ 連携事例(2)=専門スキルを活かしたプロボノ支援
(アビームコンサルティング×Ridilover×SIIF)

アビームコンサルティングでは、社会課題解決への取り組みと社会的インパクトの創出をミッションに掲げている。

Ridiloverは、子どもの体験格差を解消するため、旅を通して多様な体験機会を提供する「旅する学校」プロジェクトを実施するにあたり、事業の継続・拡大のために、企業人材の個人寄付に関する調査データおよび実際の寄付につながる支援を必要としていた。

そこで、アビームコンサルティングではプロボノ支援として、企業人材の個人寄付に関する社員アンケートを実施するとともに、子どもの体験格差を学ぶイベントを社内で開催した。

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両社のマッチングやプロジェクト支援などを行った、社会変革推進財団(SIIF)の田立紀子インパクト・オフィサーは、「アビームコンサルティングの姿勢を手本として、よりよいプロボノ実施のため、自社社員の満足を追求するだけでなく、大事なクライアントは支援先団体であることを忘れないでほしい」と指摘した。

【SDGs本部】

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