あいさつする筒井会長
経団連は1月29日、大阪市内で関西会員懇談会を開催した。筒井義信会長、冨田哲郎審議員会議長、各副会長、関西地区の会員ら約400人が参加。「『投資牽引型経済』への転換を目指して」を基本テーマに意見交換を行った。
会員懇談会に先立ち開催した昼食懇談会では、京都大学の湊長博総長が「京都大学の国際卓越研究大学構想」と題して講演するとともに意見交換を行った。
会員懇談会の開会に当たり筒井会長は、将来にわたる持続的で力強い成長の実現は道半ばとしたうえで、企業による国内投資を通じ、日本経済の基盤を強化し、さらなる成長を生み出す、「投資牽引型経済」の確立を目指すと述べた。
10月に閉幕した2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)にも触れ、会員の協力に謝意を述べるとともに、27年3月に横浜市で開催する2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)の成功に向け、大阪・関西万博のレガシーを継承して取り組んでいくとの決意を示した。
続いて、関西経済活性化と産業競争力強化の二つをテーマに意見交換を実施。
関西電力の森望社長から「経済成長を支えるエネルギー供給の確保」、池田泉州銀行の鵜川淳会長から「関西経済への期待と労働力や後継者不足への対応」、グンゼの佐口敏康社長から「プラスチック資源循環の取り組みと今後」、SCREENホールディングスの垣内永次特別顧問から「製造装置ビジネスの高度化」――について、それぞれ発言があった。
これに対して経団連から、
- (1)経団連は、地域資源を生かし、広域的な連携を推進する手段として「新たな道州圏域構想」を提唱。関西地域では、広域行政に取り組んできた「関西広域連合」を中心に「関西広域リージョン連携宣言」が行われており、都道府県を超える広域連携の先進地域として期待する(永井浩二副会長)
- (2)経団連は、多様な人材が活躍できる環境整備の一環として、外国人政策に関する取り組みを進めている。企業は受け入れ主体および地域社会の構成員としての責務があり、地域全体で外国人を包括的に支えるネットワークの構築をリードしていく役割がある(永野毅副会長)
- (3)今後のコーポレートガバナンス改革は、中長期的な価値創造に向けた企業の主体的・自律的な取り組みを促進し、それを投資家が後押しするための環境整備を念頭に置くべき。こうした観点から、経団連は先般、提言をまとめた(髙島誠副会長)
- (4)安定的なベース電源として原子力の役割はますます増しており、安全性確保と地元理解を大前提とする既存炉の再稼働や、リプレース・新増設に向けた検討を着実に進めることが重要。再生プラスチックの国内での供給体制の構築には、事業者間連携の推進や消費者理解の促進が重要(泉澤清次副会長)
- (5)産業競争力の強化に向け、経団連は25年12月に緊急提言をまとめた。同提言では「目指すべき科学技術立国」の姿を描くとともに、経済界自らが「投資推進型」にマインドセットを転換し、官民連携して科学技術立国を牽引していくとの決意を示した(久保田政一副会長・事務総長)
- (6)2026年版「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)では、「賃金引上げの力強いモメンタムの『さらなる定着』」を掲げている。会員企業には、経労委報告を参考にしながら、真摯かつ建設的な労使交渉を行い、自社に適した賃金引き上げの実行をお願いしたい(藤原清明専務理事)
――との発言があった。
住友電気工業の松本正義会長(関西経済連合会会長)は、マルチステークホルダー資本主義の考えのもと、力強い賃金引き上げや、コーポレートガバナンス改革を進めていく必要があると述べた。大阪・関西万博で披露された新たな技術等の社会実装の推進などに関しても発言した。
閉会に当たり冨田審議員会議長は、大阪・関西万博のレガシーを今後の日本経済に生かす必要があるとしたうえで、国内に山積する課題を解決するためには、企業自らが、中長期的な視点や社会性の視座に立って、設備投資、研究開発投資、人的投資に積極的に取り組み、「投資牽引型経済」を実践していくことが重要と締めくくった。
【関西事務所・総務本部】
