経団連は3月17日、「資源安全保障に資するサーキュラーエコノミー(CE)推進に関する提言」を公表した。
近年、重要鉱物等を巡る地政学的リスクが増大しており、国際的な資源獲得競争が激化している。
経団連が1月末に派遣したCE訪欧ミッション(2月19日号既報)でも、EUは昨今の中国や米国等の地政学的脅威を受けて、CEを環境政策から資源安全保障政策や産業競争力強化策へと位置付け直し、鉱物資源をEU域内に確保する方針であることを確認した。
「資源を持たない島国」であり、モノづくり産業を基盤に発展してきた日本は、国を挙げて資源安全保障対策を強化する必要がある。1次資源の獲得強化はもとより、2次資源(リサイクル資源)を戦略的に活用すべきだ。
本提言はこうした課題認識に基づき、現在政府で議論が進められている日本成長戦略に向けて取りまとめたもの。「CE加速に向けた都市鉱山(注)戦略アクションプラン」を策定し、短中長期の対策を講じることを求めている。
アクションプランに盛り込むべき主な対策は次のとおり。
1.製品等の製造段階における環境配慮設計の強化
製品等の設計段階から、鉱物資源等の使用削減に取り組むとともに、将来の資源回収・再利用を前提に、解体・分離・リサイクル容易性の向上に資する環境配慮設計をより一層推進する。
2.資源の安定供給・サプライチェーンの強靭化に資する再生資源供給体制強化
(1)国内再資源化等拠点の強化・ネットワーク化の推進
ベースメタル、レアメタルをはじめとした鉱物資源の安定供給や、2次資源を安定的に供給できる再生材供給網の強靭化を図るべく、国内再資源化等拠点の強化およびネットワーク化等を通じて資源循環産業を成長産業として育成する。
(2)使用済製品等の国内収集・回収体制の強化
スケールメリットを生かした費用低減を図るため、より多くのE-スクラップ(電子部品スクラップ)などの使用済製品等の効率的・効果的な回収と、そのための体制を強化する。
(3)2次資源の需要創出・確保
2次資源の需要の創出・確保のため、2次資源を活用する動脈企業と、生み出す静脈企業との連携を強化する。
再生材利用製品への受容性拡大や資源回収への理解促進を図る消費者啓発活動の推進、公共調達による率先垂範も行う。
(4)国外への資源流出対策の強化
重要鉱物やベースメタル、プラスチックなどの再生資源原料の国外流出は深刻な課題であり、資源の不正輸出防止対策の強化や、企業秘密への配慮を踏まえたデータ連携を推進する。
3.国際資源循環ネットワークのハブ機能強化
国内のみならず海外の都市鉱山からも資源を回収すべく、E-スクラップ等の輸入手続きの簡素化・円滑化等を推進すべきだ。
ASEAN諸国等で事業展開する日系企業等との連携を強化し、国際的な回収・資源循環の仕組みも構築する。
4.異業種・動静脈・産官学連携の推進と消費者啓発
循環経済パートナーシップ(J4CE)やサーキュラーパートナーズ(CPs)等の取り組みを活用した「異業種」「動静脈」「産学官」の連携を推進する。
2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)を消費者啓発の場として活用し、CEに関する社会的機運の醸成につなげる。
(注)使用済みの家電、携帯電話、パソコン等、廃棄される小型家電製品に含まれる金・銀やレアメタルを回収し、再利用すること。都市部に蓄積された資源を鉱山に見立てた言葉
【環境エネルギー本部】
