経団連は8月21日、「商業登記規則等の一部を改正する省令案」(以下、省令案)に対する意見を公表した。
法務省の意見募集に対して、経済法規委員会企画部会(原田剛部会長)で意見を取りまとめた。
省令案は、代表者等の住所の一部を登記事項証明書および登記事項要約書に表示しない「一部非表示措置」の対象を株式会社から全ての会社および会社以外の法人等に拡大するとともに、対象者を会社の代表者(清算人等を含む)および支配人に拡大するもの。
同意見では、次の3点を求めている。
過去の登記に表示された住所も対象とすること
現在の登記の住所に限らず、過去の登記に表示されている住所についても、要件を満たせば一部非表示措置の対象とすべきだ。
代表者等の住所が登記情報として公示されることにより、本人や同居家族の生活や安全が害される恐れがある。現在の登記の住所の一部を非表示にしても、過去の登記から住所を把握でき、制度の実効性が損なわれる。
過去の代表者等には、一部非表示措置を選択する機会がなかった者も多い。
代表者等本人または委任を受けた者による住所記載の登記事項証明書等の取得を可能とすること
代表者等本人またはその委任を受けた者が、住所が記載された登記事項証明書等を取得できるようにすべきだ。
一部非表示措置を講じた株式会社では、以前から用いられてきた住所が記載された登記事項証明書等を利用することができなくなった。
その結果、取引先等から代表者等の住所の確認を求められた場合には、運転免許証その他の代表者等の住所が記載された公的書類の写しを提供することによって対応せざるを得ず、一部非表示措置を講じた株式会社、代表者等、取引先等のいずれについても一定の負担が生じている。
一部非表示措置の単独申し出を可能とすること
省令案では、一部非表示措置の申し出は、代表者等に関する住所が登記される登記申請その他一定の登記申請と同時に行うことが前提とされている。
しかしプライバシーおよび安全上のリスクは、登記申請の時期にかかわらず生じるものであり、登記後に新たに生じる場合もある。
一部非表示措置を希望しない旨の申し出については単独で行うことが認められる一方、措置の開始についてのみ登記申請と同時の申し出を要件とすることは、制度の目的に整合していない。
【経済基盤本部】
