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月刊 経団連

月刊 経団連2026年2月号

特集 生物多様性・自然資本保全と持続的な経済成長の両立に向けて

巻頭言

顧客価値創造

小川 啓之 (経団連副会長/コマツ会長)

イノベーションとは「新たな価値創造」であり、単なる技術革新ではない。革新的な技術であっても、社会的価値が低く、普及しなければ意味がなく、また価値が生まれても、技術に特異性がなければ、すぐに模倣される。

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特集

生物多様性・自然資本保全と持続的な経済成長の両立に向けて

2022年に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(CBD-COP15)で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」において、2030年目標としての「ネイチャーポジティブ」の考え方が示された。
政府は、GBFを踏まえ、「生物多様性国家戦略2023-2030」を閣議決定し、ネイチャーポジティブ経済への移行を国家目標として掲げるとともに、「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」が関係4省により策定された。加えて、政府の成長戦略にはネイチャーポジティブな経済・社会システムへの転換に向けた施策展開と企業の競争力の維持・強化が盛り込まれた。
2026年に開催されるCBD-COP17では、GBFの進捗を評価するグローバルレビューの実施が予定されており、その結果は各国の政策や企業行動に大きな影響を与えることが見込まれている。
こうした中、経団連と経団連自然保護協議会は、グローバルレビュー後の施策展開を見据え、「生物多様性・自然資本保全を新たな成長の源泉とすること」「気候変動対策等との統合的取り組みを促進すること」を掲げた政策提言を取りまとめた。
本特集では、同提言取りまとめの背景とそのポイント、国内外の政策動向や日本企業の動向などを紹介するとともに、ネイチャーポジティブ経済への移行に向けた課題や方策を展望する。

座談会:生物多様性・自然資本保全と持続的な経済成長の両立に向けて

  • 西澤 敬二 (経団連審議員会副議長、経団連自然保護協議会会長/損害保険ジャパン顧問)
  • 中井 一雅 (経団連自然保護協議会副会長/三井物産代表取締役専務執行役員CSO)
  • 千葉 一裕 (東京農工大学学長)
  • 藤田 香 (東北大学グリーン未来創造機構・大学院生命科学研究科教授、日経BP ESGフェロー)
  • ■ 国際潮流と日本企業の取り組み
  • ネイチャーポジティブに関する国際的な機運の高まり
  • 自然資本への対応は、重要な経営課題に
  • 日本の強みを活かし、国際ルール形成に積極的関与へ
  • 食料生産がもたらす地球環境への巨大な負荷
  • ■ 生物多様性・自然資本保全を成長につなげる
  • 日本発の知見や技術を世界に発信できる可能性
  • 自然資本をめぐる課題解決を新たな事業機会に
  • 日本社会の先進的な取り組みを海外展開
  • 官民連携で社会全体の機運を醸成
  • 自然資本保全の取り組みを国民理解につなげる
  • 食の背後にあるストーリーを伝える必要性
  • ■ 2030年ネイチャーポジティブに向けた今後の展開
  • エビデンスに基づき企業や自治体と連携する
  • 省庁横断で統合的な施策の展開を
  • 「三井物産の森」を起点とする統合的価値創造
  • 産学官をつなぐ大きなビジョンの必要性
  • 日本の強みを発展できる人材育成を
  • ■ 今後の期待・抱負

【提言】
「生物多様性・自然資本保全と持続的な経済成長の両立に向けた提言」のポイント

https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/077.html
 (経団連教育・自然保護本部、経団連自然保護協議会)

  • Ⅰネイチャーポジティブ経済への移行による成長の実現
  • Ⅱ生物多様性・自然資本保全と気候変動対策等の統合的アプローチ
  • 日本企業の取り組み状況

ネイチャーポジティブ戦略が社会経済活動の変革をもたらす
 武内 和彦(地球環境戦略研究機関(IGES)理事長)

  • 昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)とネイチャーポジティブ
  • ネイチャーポジティブへの移行と経済界の役割
  • 30‌by‌30と自然共生サイトの認定

ネイチャーポジティブ経済移行戦略に基づく施策展開
 堀上 勝(環境省自然環境局長)

  • ネイチャーポジティブ経済の実現に向けて
  • 国が2030年に向けて取り組んでいる具体策

「グリーンインフラ推進戦略2030」の策定について
 竹内 大一郎(国土交通省総合政策局環境政策課長)

  • 多様な主体の連携によるグリーンインフラの実装
  • 新戦略の策定背景
  • 新戦略におけるグリーンインフラの定義

CBD‐COP17に向けた日本経済界への期待
https://www.keidanren.or.jp/en/journal/2026/02_Schomaker.html
 アストリッド・ショーメーカー(生物多様性条約事務局長)

企業と生物多様性
―保護地域以外で生物多様性保全に資する地域(OECM)がもたらす新たな機会
https://www.keidanren.or.jp/en/journal/2026/02_Aguilar.html
 グレーテル・アギラー(国際自然保護連合(IUCN)事務局長)

TNFDの今後の展望
https://www.keidanren.or.jp/en/journal/2026/02_Goldner.html
 トニー・ゴールドナー(自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)事務局長)

ネイチャーポジティブ経営の推進
 栗山 浩一(京都大学農学研究科教授)

  • ネイチャーポジティブ経営とは
  • 日本企業がネイチャーポジティブ経営を実現するには
  • ネイチャーポジティブ経営を新たな経済成長戦略へ

GREEN×EXPO 2027が目指す世界
 涌井 史郎(GREEN×EXPOラボ チェアーパーソン、東京都市大学学長付特任教授)

  • 自然共生の日本型モデルを発信する機会
  • 植物が主体となったエコシステムと自然共生がもたらす持続的未来
  • 「幸せを創る明日の風景」を共創していく

【企業事例】
湿地グリーンインフラ再興活動

 (清水建設)

  • 谷津の再興
  • 自然との新たなかかわりを実践

【企業事例】
気候変動の適応に資するインフラ「雨水貯留材クロスウェーブ」

―資源循環や生物多様性など環境課題解決を統合的に考えたソリューション
 (積水化学工業)

  • 複数の環境課題の解決
  • 環境課題のさらなる統合的解決のために

【企業事例】
オフィスビルの都市緑化に向けた取り組み

 (日本生命保険)

  • オフィスビルにおいて都市緑化を推進
  • 持続可能な社会の実現を目指す

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一般記事

【提言】
2030年に向けた物流のあり方

https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/069.html
 長澤 仁志(経団連副会長、ロジスティクス委員長/日本郵船会長)
 池田 潤一郎(経団連ロジスティクス委員長/商船三井会長)

  • 商慣行の見直しに向けた経済界・消費者の意識改革
  • 新モーダルシフトの推進
  • 物流現場のスマート化
  • 国際競争力強化・成長戦略に資する施策
  • GX推進と分野横断的な政策

【提言】
持続的な成長に向けたコーポレートガバナンスのあり方

https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/083.html
 髙島 誠(経団連副会長、金融・資本市場委員長/三井住友フィナンシャルグループ会長)
 中田 誠司(経団連審議員会副議長、金融・資本市場委員長/大和証券グループ本社会長)
 佐藤 雅之(経団連金融・資本市場委員長/日揮ホールディングス会長兼社長)

  • 経営者は積極的な成長投資へとかじを切るべき
  • 投資家は企業の価値創造の「共創者」
  • 政府はハードローとソフトローの一体的な見直しを

【報告】
オーストリア・ウィーンにバイオミッションを派遣

―バイオエコノミー委員会初の欧州視察
 小坂 達朗(経団連審議員会副議長、バイオエコノミー委員長/中外製薬特別顧問)
 岩田 圭一(経団連審議員会副議長、バイオエコノミー委員長/住友化学会長)

  • オーストリアのバイオ産業エコシステム
  • 循環型経済とバイオ医薬産業の先進事例

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