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月刊 経団連 座談会・対談 LXによる新しいサービスモデルのカタチ ─生活者価値を起点とした生活サービス産業へ

澤田 道隆
経団連生活サービス委員長
花王会長

高原 豪久
経団連生活サービス委員長
ユニ・チャーム社長

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コロナ禍やロシアによるウクライナ侵略、頻発する自然災害などを背景に、平和な日常の重要性が人々に強く認識されることとなった。生活者の考え方は多様化し、消費を巡る価値観も変化してきている。こうした中、企業には「多様な幸せの実現」を起点にしたビジネス展開が求められつつあり、生活者とダイレクトに接点を持つ生活サービス産業は、生活者価値を起点とした社会形成の牽引役となることが期待されている。
経団連は2022年7月に報告書「ライフ・サービス・トランスフォーメーション(LX)」を公表し、消費の新たな潮流を整理し、生活サービス産業が克服すべき課題と変革の方向性を示した。

高原 豪久(経団連生活サービス委員長/ユニ・チャーム社長)
コロナ禍が消費行動に与えた影響は大きく、インターネット消費も急速に進んだ。また、一人の消費者が多面的な個性と価値観を持ち、世代によっても異なる欲求を持つことも分かってきた。その需要の塊の解明を行えるかが今後の消費動向の把握と戦略開発の課題となるだろう。ユニ・チャームは、コーポレートビジョン「NOLA & DOLA(=必要不可欠な存在であり続け、かつ消費者とともにその夢を叶えたい)」を軸に「SDGs目標の達成=共生社会の実現」を目指している。一人ひとりの消費者のライフタイムバリューの最大化を目的とするLXとも相通ずるものである。

澤田 道隆(経団連生活サービス委員長/花王会長)
様々な環境変化に伴い、企業だけでなく生活者自身の意識も変化しつつある。地球環境や社会を念頭に置いたビジネスが必須となり、大量生産・大量消費・大量廃棄から脱却し、循環型社会への移行が求められている。花王では、2019年からESG経営に大きく舵を切ったが、生活者のさらなる意識変革も促していきたい。また、企業姿勢を示すことで、それに対する生活者の受け止め方のフィードバックを受け、商品やサービスに転換していくことも重要になってきた。企業間の連携については、経団連や政府などとともに行うことが必要だと考える。

岩村 有広(司会:経団連常務理事)

  • ■ 生活者を取り巻く環境
  • 予期せぬ環境変化の影響
  • ■ 消費者像について
  • 3つの消費軸を多様な視点から考える
  • 消費者の“需要の塊”とは
  • ■ デジタルテクノロジーの進展の影響
  • Z世代とデジタル活用の方向性
  • ■ 生活サービス産業の課題
  • 循環型へと消費を変えていく
  • 生活者・環境・プロダクトの価値を起点として捉える
  • ■ LX推進に必要なこと
  • 業種・業態を超えた協創の重要性
  • 企業姿勢を消費者に伝える

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