1. トップ
  2. 月刊 経団連
  3. 2012年
  4. 7月号
月刊 経団連

月刊 経団連2012年7月号

特集 革新的な施策により観光立国を目指す

巻頭言

「金メダル」の気概をいまこそ

加藤 進 (経団連審議員会副議長/住友商事会長)

今月末よりロンドンで、夏季オリンピックが開催される(7月27日~8月12日)。世界のトップ・アスリートが一堂に会し、互いの技量を競い合う世界最大のスポーツの祭典である。

続きを読む

特集

革新的な施策により観光立国を目指す

人口減少に伴う国内市場の縮小や産業の空洞化、都市・地域間の格差拡大などが懸念されるなか、地域に根付き、すそ野の広い観光産業への期待が、いままでになく高まっている。2006年に「観光立国推進基本法」が制定、2007年に「観光立国推進基本計画」が策定され、国家戦略としての観光振興の取り組みが本格化する矢先、昨年の東日本大震災に見舞われた。大震災を乗り越え、「観光立国」を実現する革新的な施策と戦略を探った。

座談会:革新的な施策により観光立国を目指す

  • 大塚陸毅 (経団連副会長・観光委員長/東日本旅客鉄道相談役)
  • 山口範雄 (経団連審議員会副議長・観光委員会共同委員長/味の素会長)
  • 末澤和政 (藤田観光社長)
  • 生江隆之 (司会:経団連観光委員会企画部会長/三井ホーム社長)

PDF形式にて全文公開中

大塚陸毅 (経団連副会長・観光委員長/東日本旅客鉄道相談役)
今年4月に仙台と東京で開催されたWTTCグローバルサミットは、野田総理の登壇もあり、日本が国家戦略として観光に取り組む姿勢を明確に示すことができた。この会合の成否は、今後の具体的な取り組みによって決まる。「伝統と最先端のテクノロジーの並存」という日本の魅力を活かし、関係者の協調と連携を深め、観光立国を実現しなければならない。政治のリーダーシップは不可欠だが、経団連としても、観光関連産業の優良事例の横展開などに取り組むほか、必要に応じ政策提言を行っていきたい。

山口範雄 (経団連審議員会副議長・観光委員会共同委員長/味の素会長)
観光とは、国内外で人と人とのつながりをつくっていく営みである。「絆」という言葉に象徴されるように、震災を経て、豊かな観光を提供できる素地が、日本社会に醸成されてきたと感じる。昨年から、日本の食文化をユネスコの世界遺産に登録しようというプロジェクトが動いているが、四季や自然、健康など、食文化に活かされた日本文化の魅力を訴えることは、観光需要の喚起につながる。

末澤和政 (藤田観光社長)
観光は、「量」の時代から、「個」あるいは「質」の時代に転換しつつある。成長著しいアジアをはじめ、多様化する観光客一人ひとりのニーズに応えられるサービスの提供が必要である。企業としては、性別・年齢・国籍・学歴など、多様な人材を登用し、ダイバーシティ化を進めていくことが必要である。国レベルの取り組みとしては、経済、文化、科学技術、医療など、あらゆる分野の力を高めることが、日本の観光競争力を高めることになるだろう。

生江隆之 (司会:経団連観光委員会企画部会長/三井ホーム社長)

  • ●東日本大震災後の観光をめぐる状況
  • 観光がつくり出す人々の交流が経済を動かす
  • 観光業も「量」から「質」へ転換する時期がきている
  • 観光は人と人とのつながりをつくっていく営み
  • ●日本の魅力とは何か、それをどのように伝えるか
  • 食文化に活かされた日本文化の魅力を訴える
  • あらゆる分野の力を高めることが訪日者を増やす
  • 伝統と最先端のテクノロジーの並存が日本の魅力
  • 全世界の都市へ「世界の未来像」を提案していく
  • ●日本の観光振興政策のあり方と民間の取り組み
  • 「面」の発想で、国・地域レベルの連携を
  • 三つのキーワード「連携」「国民運動化」「人材育成」
  • 観光立国に向けて、政治のリーダーシップを

インバウンド・ツーリズムを通じた地域活性化
 松山良一 (日本政府観光局(JNTO)理事長)

  • 東日本大震災の影響とインバウンドをめぐる状況
  • WTTCグローバルサミットの開催
  • 地域活性化に寄与するインバウンド振興の取り組み例
  • 今年度のJNTO活動方針

歴史文化を伝え、新しい日本をつくる
 山口昌紀 (歴史街道推進協議会会長)

  • 歴史文化は観光の根源
  • 歴史街道の理念と活動
  • 「歴史観光」を通じて新しい日本をつくる

「観光王国・九州」を目指して
 石原 進 (九州観光推進機構会長)

  • 「九州」の認知度向上
  • 国内誘客戦略
  • 海外誘客戦略
  • 「観光王国・九州」の実現

国際環境リゾート「NISEKO」への取り組み
 片山健也 (ニセコ町長)

  • 海外へのプロモーション
  • 海外入込数の推移と観光投資
  • 世界標準で生活できるまちに

瀬戸内海のアート活動から考える「観光立国」への道
 福武總一郎 (ベネッセホールディングス会長)

  • 日本を個性的で魅力的な地域の集合体に
  • 企業は価値観の転換を
  • 現代アートによる地域づくり~瀬戸内海での取り組み
  • 「瀬戸内国際芸術祭2013」に向けて

Jリーグと観光
~アウェーツーリズム
 傍士銑太 (日本経済研究所専務理事・地域未来研究センター長)

ページ上部へ戻る

一般記事

【提言】 成長戦略の実行と財政再建の断行を求める
~現下の危機からの脱却に向けて
 岡本圀衞 (経団連審議員会副議長・経済政策委員長/日本生命保険会長)
 秦 喜秋 (経団連財政制度委員会共同委員長(提言公表当時)/三井住友海上火災保険常任顧問)
 塚本隆史 (経団連財政制度委員会共同委員長/みずほフィナンシャルグループ会長)

  • 実質2%、名目3%を上回る経済成長を実現する
  • 歳出・歳入の両面から財政再建の断行を
  • 政策の総動員により持続的経済成長と財政再建を達成
    ~経団連による初のマクロモデル試算
  • 「日本再生戦略」の早期実現と消費税法改正法案の成立を期待

【提言】 生涯にわたり安心して暮らせる社会を実現するために
~提言「高齢社会に対応した住まい・まちのあり方」
 渡邊大樹 (経団連都市・地域政策委員会、住宅政策委員会 高齢社会対応部会長/日本電信電話副社長)

  • 高齢社会の現状
  • 高齢社会のあるべき姿
  • あるべき姿の実現に向けた官民の役割
  • 今後の課題

ミドルマネジャーが役割を果たしやすい環境の整備に向けて
~報告書「ミドルマネジャーをめぐる現状課題と求められる対応」
 鳥原光憲 (経団連人事・労務委員長/東京ガス会長)

  • ミドルマネジャーが役割を果たしづらい5つの構造的な要因
  • 課題解決に向けた基本的な考え方

欧州とのさらなる経済関係強化に向けて
~訪欧ミッションを派遣
 横山進一 (経団連ヨーロッパ地域委員会共同委員長/住友生命保険会長)
 小林喜光 (経団連ヨーロッパ地域委員会共同委員長/三菱ケミカルホールディングス社長)

  • デンマーク~化石燃料からの完全脱却に向け果敢に挑戦
  • ポーランド~経済が順調に発展、さらなる投資誘致に意欲
  • クロアチア~強い政治的決意を持って投資環境を改善
  • 日EU EPAの早期交渉開始を強く要請、重要性を共有

難局を乗り越え、豊かな日本を取り戻すために
~報告書「グローバルJAPAN~2050年 シミュレーションと総合戦略」
 森田富治郎 (21世紀政策研究所所長)

  • プロジェクトのねらい
  • 日本のGDPは2030年代以降マイナス成長の可能性
  • 財政健全化は待ったなし
  • 2050年の世界に影響を与える基本的変化
  • 日本の総合戦略~14の提言

連載

【ルポ】 農商工連携(シリーズ第10回)
農業活性化、地域活性化に向け先進モデルを示す
ハイテクを駆使したトマト生産 ~カゴメ
  (経団連産業政策本部)
  • 最先端の温室で年間10カ月間の収穫を可能に
  • トマト栽培の現場の見える化を推進
  • 地域と共に歩む大切さ
【ルポ】 オンリーワンで市場を開く(シリーズ第6回)
常に半歩先の技術、ものづくり、サービスで事業を発展
電子機器・部品、自動化設備などの開発・製造 ~ 立山科学工業
  (経団連産業政策本部)
  • 電子部品・機器をはじめとする異業種集団
  • 事業を通じて地域社会への貢献を目指す
  • 海外の頭脳や技術を活かし事業を拡大
  • 新たに高齢者見守りサービスを提供
  • 新たな価値の創造に取り組む

  • あの時、あの言葉
    「恩師の痛烈な一言」とわが会社人生
    中井戸信英(SCSK社長)
  • エッセイ「時の調べ」
    災厄を超える言葉の力
    藤原龍一郎(歌人)
  • 翔べ!世界へ―奨学生体験記
    対話のなかに研究の最先端をみる
    遠藤衣穂(東京藝術大学大学院音楽研究科リサーチセンター特別研究員)

新会員紹介

「月刊 経団連」一覧はこちら