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月刊 経団連

月刊 経団連2013年2月号

特集 地域主導の国づくり ~新しい地域経営の胎動と道州制

巻頭言

地域主導の街づくり推進とイノベーションの創出

渡辺捷昭 (経団連副会長/トヨタ自動車相談役)

わが国の持続的な経済成長実現のためには、「環境・エネルギー・安心・安全」といった今後重要となるテーマでのイノベーション創出が何よりも必要である。その際、単一の技術や商品単位ではなく、「街づくり」のようなシステムづくりのなかで「全体最適」を考えることが重要となる。

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特集

地域主導の国づくり ~新しい地域経営の胎動と道州制

人口減少・少子高齢社会が到来するなかで、地方においては、人口流出、過疎化、自治体財政の逼迫、産業の空洞化や雇用の喪失といった、深刻な問題が顕在化している。地方がこうした困難な状況を克服し、日本全体に活力をもたらすようにするためには、どのような施策が必要なのか。地方分権改革の推進、その先の道州制の導入を見据え、議論した。

座談会:地域主導の国づくり ~新しい地域経営の胎動と道州制

  • 畔柳信雄 (経団連副会長/三菱東京UFJ銀行相談役)
  • 片山善博 (慶應義塾大学法学部教授)
  • 鈴木康友 (浜松市長)
  • 林 宜嗣 (関西学院大学経済学部教授)
  • 椋田哲史 (司会:経団連常務理事)

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畔柳信雄 (経団連副会長/三菱東京UFJ銀行相談役)
経済成長と財政改革の両立は、中央政府のみならず地方経済に突きつけられている課題である。地方自治体は、経営の視点を持って、グローバルな環境変化を見据えて成長戦略を描き、行財政改革・バランスシート改革の徹底によって成長の原資を確保し、選択と集中を行っていかなければならない。その具体的な実践のなかから道州制のイメージが形成される。また、経団連としては、道州制の導入に向けた政治のリーダーシップを期待する。

片山善博 (慶應義塾大学法学部教授)
自治体ごとに主体的な取り組みができる環境をつくることが、地方分権の基本である。これまでの分権改革の取り組みを一言で評価するなら、「遅々として進んできた」というところか。民主党政権下の総務大臣として、補助金改革、出先機関改革などをある程度進めることができたと振り返る。しかし、改革の成果を活用する地方の側も、そのあり方が問われる。

鈴木康友 (浜松市長)
市長として、自治体運営を経営者の視点で考えている。浜松市では、「産業イノベーション構想」により、既存産業の高度化・新産業の育成を進めるとともに、「新・ものづくり特区」を国に申請し、農・工業の振興を図っている。また、静岡県や静岡市とも連携し、「しずおか型特別自治市」を模索しているが、これは「特別自治市制度」の次善策として、現行の制度下で、特別自治市と同様の効果をねらった地方分権改革の試みである。道州制実現に向けては、基礎自治体が県から住民に身近な行政サービスを全て引き受け、自立する覚悟が必要である。

林 宜嗣 (関西学院大学経済学部教授)
行政運営・自治体のあり方にもパラダイムシフトが起こっている。しかし自治体改革の多くは従来の行政の守備範囲にとどまっている。新しい取り組みを始めるにも、財政健全化は喫緊の課題であるが、同時に、自治体に求められるのは企業はじめ民間の活動をサポートしていくという発想である。道州制実現に向けては、抽象的な議論に終始するのではなく、地域にふさわしい道州制の姿を、住民を巻き込んだ議論のなかから見出していくべきである。

椋田哲史 (司会:経団連常務理事)

  • ●地方経済の現状と課題
  • 市長が「経営者」の視点を持つ
  • 「幸福度」の高い地域からなぜ人口が流出するのか
  • ●地方分権改革の動向とその評価
  • 「遅々として進んできた」地域主権改革
  • 国の出先機関改革と大阪都構想の進展に期待
  • 国は肝心な部分を手放さない
  • 課題解決型の地方分権議論に変えていくべき
  • ●地域主導の国づくり、地方経済活性化に資する制度改革・統治機構のあり方
  • 企業目線で、各地域のグローバル対応を支援
  • 「しずおか型特別自治市」という挑戦
  • 公共事業に頼らない自立した地域経済を目指せ
  • 地方行政は民間の活動を支援せよ
  • ●道州制の実現に向けた課題と求められる施策
  • 道州制実現に向けた政治のリーダーシップに期待
  • まずは基礎自治体が覚悟を決めること
  • 道州制特区から始めるべきこと
  • ボトムアップ型で道州制の実現を

「九州はひとつ」の実現を目指して
 松尾新吾 (九州地域戦略会議議長/九州経済連合会会長)

  • 「九州はひとつ」の出発点
  • 「九州はひとつ」に向けたこれまでの取り組み
  • 道州制の実現に向けた九州モデル
  • 道州制の実現に向けた課題

なぜ今、道州制が必要なのか
 村井嘉浩 (宮城県知事)

  • 大震災で得られた教訓
  • 地方が抱える課題
  • 中央集権から地方分権、そして地域主権型道州制へ
  • 地域主権型道州制のメリット
  • 地域主権型道州制の推進に向けて

喫緊の課題としての都道府県改革
 辻 琢也 (一橋大学大学院法学研究科教授)

  • 都道府県が変革を迫られる三つの要因
  • 超高齢社会を乗り切る強靱な自治制度の構築を

分権改革は理論から実践の時を迎えている
 北川正恭 (早稲田大学大学院公共経営研究科教授)

  • 分権体制を支える補完体制の構築を
  • 成熟時代に合った構造改革を
  • 分権改革は理論から具体的な実践へ
  • 徳島県上勝町の改革

都市国家にふさわしい大都市制度の構想を
 佐々木信夫 (中央大学経済学部教授)

  • 国土形成にふさわしい統治機構の構築を
  • 時代は広域政策を求めている
  • 大都市圏を経営する行財政権限を有した制度創設を

地域の自立と人材育成
 谷口博文 (九州大学産学連携センター教授)

  • 道州制をめぐる最近の議論
  • 地域における公共人材育成の実践

道州制で問われる地域独自の将来ビジョン
 荒田英知 (PHP総研主席研究員)

  • 基礎自治体の役割の充実を
  • 地域ごとに独自のビジョンを

「市民道州制」なら地域と日本を元気にできる!
 藤井秀一 (道州制ドットコム代表)

  • 新潟県小千谷市役所の災害支援
  • 住みたい地域、国づくりのために道州制を

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一般記事

【提言】 今後の企業年金制度のあり方
 斎藤勝利 (経団連副会長、社会保障委員長/第一生命保険会長)
 鈴木茂晴 (経団連社会保障委員会共同委員長/大和証券グループ本社会長)

  • 厚生年金基金改革の背景
  • 厚生年金基金改革試案に対する意見

【提言】 国民生活および事業活動を支える現実的なエネルギー政策の立案を
~エネルギー政策の再構築を求める
 井手明彦 (経団連審議員会副議長、資源・エネルギー対策委員長/三菱マテリアル会長)

  • 当面のエネルギー政策
  • 中長期のエネルギー政策
  • 今後のエネルギー政策の検討に向けて

【提言】 新政権は温暖化政策の抜本的な見直しを
~地球温暖化政策に関する意見
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  • 温暖化政策は抜本的に見直すべき
  • 産業界の主体的取り組みの重要性
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  • 温室効果ガス削減にかかる中期目標の再検討
  • 国際交渉のあり方

COP18を振り返って
~国際枠組構築に向けた成果と経団連の活動
 進藤孝生 (経団連環境安全委員会地球環境部会長/新日鐵住金副社長)

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  • 今後を見据えて

連載

【ルポ】 オンリーワンで市場を拓く(シリーズ第11回)
オートメーションを切り口に、人々の暮らしを支え、地球環境に貢献する
計測と制御のスペシャリストとして、その応用に取り組む ~ アズビル
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Column 日本のインフラ輸出
北部ベトナム・ラックフェン国際コンテナ港整備の取り組み
 渡辺義夫 (日本郵船港湾海外グループ・グループ長)

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