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月刊 経団連

月刊 経団連2013年3月号

特集 活力ある未来に向けて労使一体となって危機に立ち向かう ~2013年春季労使交渉・協議に向けて

巻頭言

諸国漫遊

岡本圀衞 (経団連審議員会副議長/日本生命保険会長)

土地土地には歴史や文化や芸術などを色濃く残した城、寺社、宿場、駅舎、文学館、国宝などが散在している。はじめはあまり意識しなかったが、これがこだわりだすとなかなか面白い。だから今は、そのどれでもよい。何かあれば探して飛び込むことにしている。帰ってはノートにせっせと感想を書き込む。至福の時である。

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特集

活力ある未来に向けて労使一体となって危機に立ち向かう ~2013年春季労使交渉・協議に向けて

安倍新政権が掲げた経済対策への期待感から、株式市場などは復調の兆しを見せた。しかし、グローバル競争は熾烈を極め、日本企業を取り巻く環境は、一段と厳しさを増している。今こそ、労使が経営環境に対する共通認識を構築し、一体となって危機を乗り越え、成長への道を切り拓いていかなければならない。春季労使交渉・協議に向けて、現状を打開し、成長を持続するための諸課題について議論する。

座談会:活力ある未来に向けて ~労使一体となって危機に立ち向かう

  • 宮原耕治 (経団連副会長・経営労働政策委員長/日本郵船会長)
  • 篠田和久 (経団連副会長/王子ホールディングス会長)
  • 山口範雄 (経団連審議員会副議長/味の素会長)
  • 湯元健治 (日本総合研究所副理事長)
  • 川本裕康 (司会:経団連常務理事)

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宮原耕治 (経団連副会長・経営労働政策委員長/日本郵船会長)
日本企業は、長引くデフレのもとで、六重苦というハンディキャップを抱えながらも、何とかやってきたというのが実感である。この状況を放置すれば、産業の空洞化が進み、雇用の減少を招くだろう。安倍新政権の経済対策(アベノミクス)では、金融政策、財政政策とともに、三本目の矢と位置付けられている成長戦略が重要である。春季労使交渉・協議に向けては、課題解決型の「労使パートナーシップ対話」を重視したい。

篠田和久 (経団連副会長/王子ホールディングス会長)
政権交代後、円高・デフレ対策や公共投資などの金融・経済財政政策が打ち出されたことで、為替は円安に振れており、窮地を脱しつつある産業もあるだろう。しかし、輸入原材料・燃料に依存している製紙産業の場合は、円安はマイナスに働くため、短期的には負の影響は避けられない。製造業中心に日本企業の競争力を回復するには時間を要する。安倍新政権には、規制改革・税制改革など、産業の競争力強化と持続する経済成長政策を打ち出してもらいたい。

山口範雄 (経団連審議員会副議長/味の素会長)
食品産業は、人口減少・高齢化による国内需要の悪化という構造的な問題を抱えている。国内市場での横断的な競争、グローバル市場での熾烈な競争のなかで生き残らなければならない。政策面では、日本企業の競争力を強化する観点から、国際的な事業のイコールフッティングの確保とともに、事業活動を促す柔軟な規制緩和が望まれる。春季労使交渉・協議に向けては、労使トップ同士による総論だけでなく、さまざまなレベルでの各論のコミュニケーションが重要である。

湯元健治 (日本総合研究所副理事長)
安倍新政権が掲げた経済対策(アベノミクス)は、マーケットに好感され、滑り出しは上々といえる。しかし、日本経済を取り巻く環境が完全に改善されたわけではない。連合が主張する1997年レベルへの賃金復元論も、中小企業に対する一律1%の賃金引上げの要求も、経済学的な観点から合理性があるとはいえない。労使双方が将来展望を持って、賃金だけでなく社会保険料等を含めたトータルでの議論を行う必要があるだろう。

川本裕康 (司会:経団連常務理事)

  • ●一段と厳しさを増す国内事業活動と現状打開への道
  • 「アベノミクス」に対する期待
  • 三本の矢のうち「成長戦略」が最も重要
  • 日本企業の国際競争力を強化する施策を
  • グローバル市場での熾烈な競争のなかで
  • ●競争に打ち勝ち、成長を続けるための人材戦略
  • 中核人材は海外で育成する
    ~日本郵船の場合
  • 基幹人材と基幹ポストの見える化
    ~味の素の場合
  • 労働政策、労働法制のあり方は国家運営の焦点
  • ワーク・ライフ・バランスの推進は投資
  • ●春季労使交渉・協議に臨む経営側の姿勢について
  • 「労使パートナーシップ対話」は日本的経営の知恵
  • トップが経営環境を直接説明し理解を得るべき
  • 「総論」だけでなく「各論」を
  • 厳しい経営環境に対する覚悟を労使で共有すべき
  • 海外で上げた利益を国内で配分することは難しい
  • 法定福利費の企業負担増を視野に入れた議論を
  • 単純な賃上げ要求ではなく、合理的・総合的な判断を

2013春季生活闘争に向けて
 古賀伸明 (日本労働組合総連合会会長)

  • ディーセント・ワーク実現のために「傷んだ雇用・労働条件」の復元を
  • 2013春季生活闘争を「働くことを軸とする安心社会」実現の第一歩に

日本経済再生に向け地域経済の活性化を
 三浦 惺 (経団連副会長・地方団体長会議長/日本電信電話会長)

  • 日本経済の現状
  • 被災地の本格復興を日本の産業振興のモデルケースに
  • 観光や総合特区制度などによる地域経済の再生
  • 農林水産業の競争力強化で地域経済を活性化
  • 「未来都市モデルプロジェクト」の推進
  • 地方分権と道州制の推進

ものづくりの復権に向けて
 岩崎清悟 (静岡県経営者協会会長/静岡ガス会長)

  • 官民あげたビジネスモデルの革新
  • 事業環境の国際的なイコールフッティングの確保を

アベノミクスへの期待と不安
 杉浦哲郎 (みずほ総合研究所副理事長)

  • 期待が持てる年明け
  • アベノミクスの性格
    -大きな政府に抱えられた再生
  • 壮大な実験

日本にまだ残されているリソース、女性のエンパワーメントを
 國井秀子 (リコーITソリューションズ会長)

  • 視点の異なる人材としての女性
  • 女性の就労の質的改善でイノベーション加速を
  • トップのメッセージと目標値の明確化を

高齢者は貴重な戦力
 中川荘一郎 (高島屋人事部人事政策担当次長)

  • 再雇用制度の導入
  • 改正高年齢者雇用安定法への対応
  • 高齢者に活躍してもらうために

2013年版経営労働政策委員会報告の概要
-活力ある未来に向けて~労使一体となって危機に立ち向かう~
 (経団連労働政策本部)

  • 悪化を続ける事業環境の早期改善に向けて
  • 「変革への取り組み」を支える組織・人材
  • 多様な人材の活用に向けた取り組み
  • 「労使パートナーシップ対話」の充実
  • 総額人件費に対する基本的考え方
  • 2013年労使交渉・協議における経営側のスタンス
  • 労働側スタンスへの見解
  • 労使コミュニケーションの強化

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一般記事

【提言】 2050年の世界の温室効果ガス半減に向けて
~経団連低炭素社会実行計画
 坂根正弘 (経団連副会長・環境安全委員長/小松製作所会長)

  • 自主行動計画の成果
  • 実行計画の推進
  • 実行計画の特徴

【提言】 わが国農業の競争力強化と成長産業化に向けた取り組みの加速を求める
 小林栄三 (経団連審議員会副議長・農政問題委員長/伊藤忠商事会長)

  • 担い手への農地集積による競争力強化
  • 農業の収益性向上のための成長産業化
  • 競争力強化・成長産業化の基盤となる直接支払制度の改革

【提言】 国益・国民本位の質の高い政治の実現に向けて
 中村芳夫 (経団連副会長・政治委員長)

  • わが国政治の現状
  • 目指すべき政治の姿
  • 求められる政治改革
  • 経済界の行動

今後の経済運営に関する基本的考え方
 岡本圀衞 (経団連審議員会副議長・経済政策委員長/日本生命保険会長)

  • 第二次安倍内閣の発足と打ち出された経済政策
  • 企業の役割と日本経済の現状
  • 現状打破に向けた道筋

骨髄バンクへのご支援のお願い
 齋藤英彦 (骨髄移植推進財団理事長)

  • 骨髄移植の方法
  • 骨髄提供を増やすための「ドナー休暇」について
  • 低所得患者の負担軽減のためのご寄付のお願い

連載

Column 日本のインフラ輸出
タンロン工業団地でのインフラ整備
 清水禎彦 (タンロン工業団地社長)

  • あの時、あの言葉
    書くこと
    西浦三郎(ヒューリック社長)
  • エッセイ「時の調べ」
    外向きの若者たち
    羽田 正(東京大学副学長・国際本部長・東洋文化研究所教授)
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    語るべき言葉を求めて
    新見 藹(NHK国際放送局ディレクター)

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